暗所は優しい
晴天清々しい休日だというのに一日中寝ていた。
電気を消した暗い部屋にあるベッドで布団にくるまってゴロゴロしていた。ベッドにいるならさっさと寝てしまえばいいのだが、朝から起きては寝てを繰り返していれば自然に眠ることが難しくなる。
眠れない時には何をするかというと、『考える』だ。『妄想』でもいい。プラスなことでもマイナスなことでもありえないことでもなんでもいい。悶々としながら考えるのだ、目を閉じて。
こういうことはテレビが付いている明るい部屋ではやりにくい。暗く静かな環境がいいのだ。決して健全とは言えない行動だが、暗い部屋の中では許される。暗所は病んでいる人間に優しい場所である。
暗所の優しさは病んでいる時ほど強く感じられる。明るいところにはいられない、人の中でも少し劣っているタイプの人間を優しく迎えて包み込んでくれる包容力にはいつも癒してもらっている。
蛍光灯も太陽光も今はキツイ。可能な限り暗い部屋で過ごしながら、健全な人間を演じるためのパワーをチャージしなければ真人間として生きられる気がしない。
暗くて静かな場所にわしは日々なんとか生かされている。
血迷って候 千秋静 @chiaki-s
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