不運は続く

 上手くいかない時に、さらに不運が重なるというのは人が生きていく上での「あるある」ではないかと思う。


 上手くいっている時に、さらに良いことが起こるというのは稀なのに、この不運の重なる確率の高さは何なのだろうか。誰かがどこかで何かを操作しているのだろうかと、疑っても仕方のないようなことを疑いたくなるくらい恨めしい気分になる。


 今がまさにそのタイミングなのだ。


 本当にツラい。辛い時こそ人が成長する正念場だとよく言うが、本当だろうか。それは大変だった出来事(終わったこと)を後から振り返ってから言えることで、辛い出来事の渦中にあっては、とてもそんな風には思えない。とにかくその辛い状況から脱出することしか考えられないのが普通である。


 わしの場合、過去を振り返って辛かったときのことを思い出してみても、成長に繋がったなどと思える出来事はほとんどない。それどころかその辛かった時のことなど思い出したくもないと、記憶をシャットアウトしてしまいたくなるような有様だ。


 わしはそれほど強くない。それどころか、辛い出来事が多くあればあるほど落ち込んで、その出来事をいつまでも引きずって病む。不運を糧に強くなどなれる気がしない。


 だからどこかでわしの何かを操作しているお前、これからはもう少し人生をイージーモードに設定してはくれないだろうか。どんなに何かを操作しても、わしはわしのままでレベルアップの見込みなどないのだから。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る