第8話 蛇神の復活! そして……
船の下層にある船室に向かって廊下を駆ける足音が鳴り響いてくる。
微動だにせず
「お出かけか。俺の見張りはもういいのか?」
縛られたまま
ヨンスは扉の前で立ち止まるとボソッと
「無駄な希望は捨てろ。貴様はもはや絶対に助からん」
そう言うとヨンスは扉を開け放って外へと出て行った。
一人残された
水平線近くにわずかに星が見える。
そうした光景を見ると、急に物悲しさに襲われ、
「死ぬのか……俺は」
もし自分が助からなかったとして、
まだ1ヶ月ほどの付き合いではあるが、四六時中ともに過ごした時間の中で
そんな
(もっとアイツと組んで面白おかしくやっていきたかったんだけどな)
だが、事態はすでに後戻り出来ない局面を迎えていることを
彼の前方に置かれた
やがてついにその
そして……中から……それは現れた。
「あ、あれが……」
小さな
体表は真っ黒な蛇だが、目だけが燃え上がる炎のように紅色に染まっている。
人智を大きく超えた力の宿るその目に
大蛇は獲物を見定めると、
「ぐぅっ!」
鋭い痛みに
蛇の牙が
そしてふくらはぎから蛇によって自分の霊力が吸われていくのと、そのたびに蛇の力が大きく肥大化していくのを感じながら
だが、蛇の牙はがっちりと
漆黒の蛇は
痛みと霊力の消耗で徐々に抵抗力を奪われていく中で
廊下からは戦闘と思しき激しい物音が聞こえてくるが、もはやそちらに気を配る余裕はない。
胸に施された【死の刻限】の刻印が徐々に熱くなるのを感じ、
同時に蛇に噛みつかれた足から激痛が急激に体の上へと上ってくる。
それが蛇の毒であると感じ取り、
「じ、時間切れか、それとも蛇の毒か。せ、せめて死ぬなら、自分の死因くらい、知って、おきたかっ……たぜ」
体中から力が抜け、急激に体温が奪われていく。
「くっ……
視界が暗くなる。
意識が遠のき、体の感覚とともに……消失した。
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