第三章 迫り来る命の終わり
第1話 戦慄! 黒き呪い
船着場での戦いから一夜明けた翌朝。
「
「ええ。食欲がないみたいです。やっぱり昨日のことがショックだったんじゃないでしょうか」
そう言うと
「
そう言って心配そうな表情を浮かべる
「了解。でもそんなに心配しなくてもいいよ。医者も軽症だって言ってたろ?」
そう言って
軽症。
その言葉に
昨夜、船着場で襲い掛かってきた黒い亡者の持っていた小刀は、幸いにも
だが、傷自体は軽症でも、今の
船着場で黒い亡者の群れに襲われ、
重要な容疑者と思しき白イタチを奪還されてしまったものの、何とか黒い亡者の群れを一掃した
斬られた傷は軽く縫合をするだけで済んだが、それよりも妖魔の医者が顔を曇らせたのは
【26】
刻印はいたって単純に数字が記されているだけのものであったが、診察中にそれは【26】から【25】へと変化した。
医者の見立てでは
「これが【0】になれば俺は死ぬってことですね?」
意外なほど冷静な
恐らく
結局、その医者のところでは呪い自体には手の施しようがなく、一行は
夜中のうちにバスハウスに戻って夜明けを待ち、明け方になると
まだ傷口のふさがっていない
「あ~あ。白イタチを奪い返されちまったから報酬もお預けか。それに
残金はすでに10万イービルを切っており、仮に1分1万イービルの
白イタチの断罪報酬である45万イービルが手に入っていれば、こんな心配もせずに済んだのにと
換金士は犯罪者の悪事を暴く対価として報酬を得るが、実際に報酬が振り込まれるかどうかはその容疑者を生きたまま警察へ引き渡して初めて決まる。
今回のように罪は暴いたが容疑者本人は行方知れずの場合、その身柄の引渡しが完了されるまで報酬の支払いは保留となってしまう。
ただし、今回のように刻印をケータイで読みとって犯罪歴の登録が済まされている場合には報奨金の半額を利息つきで前借りすることが特例として認められるのだが、そのためには借り入れ用の刻印を施す必要があった。
「敵にあんな奴がいるとなるとこれからも
幻術で多くの亡者を生み出した敵のことを考えながら、
言いたいことを押し殺しているかのような彼女の様子に
「怖くはないのかって思ってるだろ?」
自分の思っていることが顔に出てしまっていることに気付き、
「
そう言ってうつむく
「俺だって死ぬのは怖いよ。でも【死の刻限】は相手を恐怖に狂わせながら死に導くとても性格の悪い呪術だ。俺が動揺すれば、あいつは焦る」
そう言って
「
二人をバスハウスに残し、
「ああ。まあ、この機会を楽しむってのも悪くないさ。あいつが俺のために何かしてくれることって貴重なんだぜ?」
そう言うと
その顔に
少なくとも
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