第9話 召喚成功と顔合わせ
「陛下!陛下!」
うー.....うるさい。折角召喚の儀が終わって
他に公務もなく休んでいたところだって言うのに.....
「なんだ....騒々しい、漸く重大責務を終えたばかりだと言うのに」
「はっ、これは申し訳ありません。
異国より召喚せし勇者がお目をお覚ましになられました故、取り急ぎの報告とさせて頂きました。」
「そうか、分かった。報告ご苦労、後で向かう」
とりあえず、召喚の儀は成功と見て大丈夫そうか。あとは、彼の者達が授かりし力が何かと言う点、それから、彼らの王国語の教育
それに剣術体術等の取得か......
話すことは沢山有りそうか、いやはや頭が重いな。兄上、何処におられるのか!本来なら......、いや今はよしておこう。
さて、では気を入れ直して彼の者達に逢いに行くとするかな。
にしても、召喚が成功した時は驚いた
召喚は1人だったと思っていたところに22人現れたのだから。しかし、2人して召喚されたのはなにか意味があっての事だろうな。
王城寝室----------------------------------------
「勇者様、まもなく陛下が参ります。
ご不明点等多い事がと存じますが、今暫くお待ち下さい」
んー、へいかかぁ。あれかな?天皇みたいなもの?
でもそうそう易く一般人がそんな人とあっていいのかな。
ていうか、その前に勇者って.....何がどうなってるのかさっぱりだよ....。
そんな思案をしてると不意にノックが聞こえてくる
「えーと、カズトの部屋はここであってますか?」ん?この声はミヅキか。
「ミヅキ、目が覚めたんだな入って大丈夫だぞ」
部屋に入ってきたミヅキは辺りを窺うように
キョロキョロと見渡しながら、正に恐る恐るという言葉がぴったり合うね。
「ねぇ、カズトここ何処よ?起きた時にそばにいたメイドさん?ぽい人に聞いたけど、さっぱり状況が掴めないよ」
ま、見知った顔を見つけて安心したからだろうけど開口一番それですかい、ミヅキさん。
「ごめん、ミヅキ。僕にもさっぱりと状況は分からない」
というより、この状況を把握してたらかなりの天才じゃないかな?
「そういえば、ミズキ。持ち物は全部あった?」
「うん?一応全部あったけど、スマホもつながんないし
ユーフォニアムもちゃんと壊れてはなかったよ」
すごい、困惑しつつもしっかり楽器のことを気にかける流石は吹奏楽部員だわ。
「勇者様、女王陛下が参られましたお入りになってもよろしいでしょうか?」
おっと、ミヅキも話してたら来ちゃったか
メイド?さんにもう少し色々聞きたかったけど....まぁ、しょうがないか。
「はい、どうぞ」
「それでは、失礼する」
あぁ、とっても凛々しい人だな
深い蒼色の髪にキリッと整った目鼻立ち、
格好良くて美しい人だな。。。
「ん、んん」
「あ、ミヅキごめん。。。」
「別に良いんですよ?良いんですからね!」
一瞬物凄い寒気がしたね、今度から気をつけよう。
「さて、勇者様お話してよろしいかな?」
「あっ、はい。なんか、すみません。」
「うむ、現状かなり色々と困惑していると思う目を覚ましたら見知らぬ場所で、急に勇者だの言われてな」
全くのその通りです、と激しく首を振っておこう。
「君達を召喚したのはこの私だ。名をラシュカ·アン·アティアという。そして、今いるのは私が治める国の王城である」
王城、あまり聞かないけど地球なのかな?ここ服の感じからして、現代ではないっぽいしなぁ。
「さて、では勇者様お二人の名前を伺ってもよろしいかな?あと、君たちの国でというより世界に『魔法』があったかも。」
おぅ、魔法と来ましたか。
これは異世界確定ですかね?
「じゃあ、オレ....いえ僕から、 蒼崎和人(あおざきかずと)って言います、英語風だとカズト·アオザキになるのかな?」
「ふむ、ではカズト殿とお呼びすれば良いかな?」
「あっ、はい、それで大丈夫です。」
『殿』かぁ天皇と同等の位の人から敬称そこそこの敬称をつけて呼ばれるって、やっぱりそういう事か。
「えっと、薬袋光希(みないみづき)です。
こちらの言い方に習うとミヅキ·ミナイとなります」
「なるほど、ではミヅキ殿とお呼びしましょう」
「よろしくお願いします」
やっぱり”勇者”である事は確定みたいだね
でも、二人とも勇者なのかな.....どうなんだろ
普通、勇者は1人の気がするけど.......
「御二方は現状何処まで理解しておられるかな?今のこの事態の事を。まずは、カズト殿お伺いしても宜しいかな?」
「あっ、はい。えーと僕達2人はこの国?世界を救うために召喚されたそして、ここは今までいた世界とは異なるここまでは理解していますが......」
「分かった、ふむ概ね間違えではないまぁ、こちらも少しイレギュラーが起きて混乱はしているがな」
イレギュラー?なんだろ。やっぱり2人って事なのかな?でもって、これまたミヅキさんはポカーンとしておられる。
情報の処理が追いついてなさそうだね......。
てか、この状況を処理しきれてたら逆に驚きだけどね!!
「ふむ、まぁあまり考えていても答えは出てこないだろうなどうだろうか?軽く甘いものでも摂りながら君達の世界のこと。そして、この世界の置かれている状況に関して話をさせてくれないだろうか?」
なるほど、確かに名案だね!ちょうどサーティーツーのアイスも食べ損ねて少し小腹もすいていたところだし。
「僕としては異論はありません」
それにこの世界のことちゃんと知っておきたいしね。
「私もそれで大丈夫です」
まぁ、無難な返事ではあるしね
「うむ、分かった。では支度をさせる、準備が出来たら案内をするので少し2人で話でもしていて欲しい、まだ混乱もしているだろうしな」
やっぱり、王というのは人格者だね人への気遣いも忘れない、この国は良い国なんだろうなぁ、きっと。
そんなこんなを思案していると女王陛下はメイドさんを連れ立って部屋を出ていった。
「んで?ミヅキさんどこまで理解出来てるかなぁ?」
「え?ぅん、うん.....理解してるとよ?.....こぎゃん状況ば!」
あらあらあら、完全に混乱しとりますな?こりゃ。
ミヅキさんは全く分からんちんになると何故か熊本言葉になるんよね、不思議なお方ではある。
「ま、うん?おいおいって言うよりもこの数日で噛み砕いて飲み込めれば良いんでないかいね、あまり慌てるのも良くないしね?」
にしても、女王陛下との急遽決まったお茶会
礼儀作法なんて細かいところ突かれたりしないか非常に不安ではあるけどね!
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