九話:カメラと商店街と日常の話
「おじいちゃん!お話ってなんですか!」
エマは祖父であるカフェ天の川のマスターである礼二に呼び出されていた。
礼二は目を細めてエマの頭をなでると、ひとつの小さな箱を取り出してそれをエマに渡す。
「この間のお菓子のお礼だよ」
「いいんですか!?」
「もちろんだとも。気に入ってくれるといいんだが」
エマはわくわくしながら箱を開ける。
中には白くて小さなデジタルカメラが入っていた。
エマはそのカメラを持ち上げて感嘆の声を上げた。
「すごいです!こんなのもらっちゃっていいんですか!」
「ふふ、私のお古でよければ、だがね」
「全然平気です!!」
エマは嬉しそうにカメラをいろんな角度から見回す。
そのカメラはとても綺麗でとてもお古には見えなかった。
礼二はエマのカメラを持つ手を優しく支えて使い方を教える。
「まずは難しいことを考えず、撮りたいものを撮ってみるといい、ピントも自動で合うようにしてあるから、シャッターを押すだけでいい」
「おおー」
エマはさっそくカメラを構えてあちこちを見てみる。
カメラを通した世界はいつもとはまた違って見えた。
「最初におじいちゃんを撮るです!」
「私でいいのかい?」
「おじいちゃんがいいです!」
エマはカメラを構えて、写真を撮る。
先程教わった通りの操作をして、撮った写真を表示させるとそこには優しく微笑んだ礼二の姿があった。
「おおー!」
「気に入ってくれたかな」
「もちろんです!大切にするです!」
「ありがとう、そのカメラも喜ぶよ」
「はいです!」
こうして、エマは手に入れたカメラでまず家のあちこちを見た。
両親、お店の和菓子、それを作る数々の道具、様々なものを写真に撮った。
「楽しいです……!」
今日はもう夜中で外には行けない。
明日学校が終わったら、商店街に出ていろんなものを写真に撮ろう。
そう考えると、エマはなかなか寝付けなかった。
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「……で、うちを撮りに来たの……?」
「はいです!」
まずエマが向かったのは肉屋の青木だった。
エマはきょろきょろと肉屋をカメラ越しに見る。
「……別に撮ってもいいと思うけど……るーちゃんも撮ってね」
「もちろんです!ちゃんと撮りますです!」
そう言って恵とるーちゃんを一緒に写真に撮る。
恵は嬉しそうにふんすと得意げな顔をする。
「るーちゃんもっと撮って」
「はいです!」
衣装も変えつつ、るーちゃんの撮影会が行われた。
るーちゃんの写真を何枚か取ったところでエマは恵にまた声をかけた。
「恵ちゃんも撮りたいのです」
「……わたしは、そんなに撮らなくていいよ」
「えー、なんでですか」
「恥ずかしいし……」
そういうと恵は少し隠れてしまう。
しかしエマはそれを追いかけて何度も恵を撮る。
「ちょ、いいってば……!」
「私は恵ちゃんが撮りたいですからそれしか理由がないなら撮っちゃうです」
「もー……!」
そうして恵の写真も次々にエマは撮っていく。
最後の方は恵も観念しておとなしく撮られていた。
そしてそれが終わったら、美味しそうなお肉やそれを売る恵の両親の姿なども次々に撮っていった。
「まだ撮りに行くの?」
「はいです」
「じゃあ、私もついていっていい……?」
「はいです!行きましょうです!」
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次に向かったのはカフェ天の川だった。
店に入る二人を礼二が迎え入れる。
「おお、エマじゃないか。いらっしゃい」
「おじいちゃん、お店の写真撮っても大丈夫ですかね?」
「ふむ、どうかな……今お客さんが来ているんだが……」
と、奥のテーブルを見ると光が席に座っていた。
「げ、恵あんた何しに来たのよ」
「別に……わたしはエマの付き添い」
「写真撮らせてくださいです!」
「うーん……ま、お店の邪魔にならないっていうなら別にいいんじゃないの」
礼二がエマに向かってOKサインを出す。
エマは喜び、まずマスターとしての礼二を写真に撮った。
「はいはーい!エマちゃん、恵ちゃん、私も撮って撮ってー!」
奥からウェイトレス姿のゆかりが出てきてエマの前でポーズをとる。
若干呆れたような光と恵を尻目に、エマは嬉しそうに写真を撮った。
被写体としてはゆかりは申し分のないほどの美人である。
「あ、待って待って、ちょっと撮ってほしいところがあるんだ」
そう言うとゆかりは椅子に座って足を組み、メニューを広げて読むふりをし、なんとなく得意げな顔をする。
「どうも、天崎朝美です……似てる?」
「似てない」
「似てない」
「似てないです」
恵、光、エマが全く同じ答えを出す。
これにはエマもシャッターを押さなかった。
ゆかりがぶーと口をとがらせる。
ここでエマはシャッターを押した。
次にエマは光に目を付ける。
「光お姉さんと恵ちゃんも並んでくださいです!一緒に撮りたいです!」
「ええ……やだ……」
「ハァ?アタシだってあんたとなんかお断りなんだけど!」
「一緒に撮りたいです……」
「う……」
エマの訴えに恵と光はお互いを見る。
そしてしぶしぶ椅子に座って並び、カメラを見据えた。
「はい、笑ってくださいですー」
「ふたりとも笑顔笑顔ー」
ゆかりのヤジに恵と光が若干ひきつった笑顔をする。
その不自然な笑顔がエマはお気に召さないらしかった。
「もっとちゃんと笑ってくださいです」
「はあ……ひかねえ、ちゃんと笑って。終わらない」
「あんたこそいつまでも仏頂面じゃないの!」
「笑ってくださいです!」
エマの珍しい一喝に二人が背筋をしゃんと伸ばす。
その様子を見たゆかりと礼二は楽しげに笑っていた。
なんとか笑顔で写真を撮れた二人は解放され、カップや大きな時計、植木鉢なども撮った後、最後に礼二、光、ゆかりが笑顔で映った写真を撮った。
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「あれ、めぐちーとエマ子だ!」
「二人ともこんにちは」
次に八百屋小清水にやってきたエマと恵。
そこには由希と、おつかいに来ていた玲奈がいた。
「写真撮りに来たのです!」
「マジか!いいなーカメラ!かっこいい!」
「えへへー」
由希はエマのカメラに興味津々であった。
なんとなくエマは得意げな顔をする。
「よし!あたしが許す!エマ子、うちの野菜をガンガン撮れ!」
「野菜よりも由希ちゃん達が撮りたいですけど」
「まず野菜から!」
「じゃあ野菜から撮るです」
そう言ってたまねぎや大根をエマは撮り始めた。
見慣れた野菜だがカメラを通してみるとこれがなかなか新鮮なものだった。
その様子を見ていた玲奈は申し訳なさそうにエマに話しかけた。
「あ、ごめんなさい私、おつかいの途中だから一度帰らなきゃ……でも、写真撮ってほしいな……」
「……じゃあ、お使い終えて、戻ってきたらいいよ」
「大丈夫?待っててくれる?」
恵の提案に玲奈が少し心配そうに尋ねる。
エマはその不安を吹き飛ばすように、満面の笑みで答えた。
「もちろんです!玲奈ちゃんも撮るです!」
「えへへ……ありがとう」
嬉しそうに笑う玲奈を見て、エマもまた嬉しそうに笑った。
「じゃあ、またここに来ればいいのかな?」
「……このあと、あさねえのとこにも行くから……そこで待ってればいいんじゃないかな……」
「うんわかった!じゃあまたあとでね!」
玲奈はそう言って、野菜の入ったカバンを持って帰っていく。
それを見送ってから、エマはまたカメラを構えた。
「由希ちゃん、野菜撮ったから今度は由希ちゃん撮るです」
「おう、美人に撮ってね。うふん」
「きもい」
恵が率直に鋭利な言葉のナイフで突き刺す。
由希は特にそれが効いた様子もなく野菜を前にセクシーのようなポーズを繰り返す。
エマはそれも楽しげに撮っていた。
その時、晴が店の奥から出てきて、少女達の行動を怪訝な目で見てから声をかける。
「由希、何してんだ」
「セクシーに撮ってもらってる」
「あのなあ、お前……一応仕事中なんだが……」
「晴お兄さんも撮るです!」
「い、いや、俺はいいよエマちゃん……」
カメラを向けられて狼狽える晴。
それを見た由希はいたずらっぽく笑う。
「兄ちゃん、今ならあたしとのツーショット撮らせてあげるよ?」
「いらねえよ」
晴は心の底からそう返した。
そんな様子を影から見る一人の少女がいた。綾子である。
「は、晴くんの写真?気になる、というか正直言って欲しい……いや、でももらうわけにはいかないし……かといって今出て行ったところで……」
「……何してるの?」
「ぴゃー!?」
綾子は間抜けな声を上げて飛び上がった。
見ると恵がそこでじっと綾子を見つめていた。
「……覗き?」
「ち、違!……違う、と言い切れないけど……違うの!そういうのじゃないの!」
「どうしたのめぐちー……なんだあや姉ちゃんじゃん」
「あ、由希ちゃん、あのね、これはそのね」
綾子が必死に否定したり言い訳しようとするのを見て由希は、ふー、とためいきをついた。
「兄ちゃん、ちょっと、ちょっと」
「なんだよ由希……ん?海老原?何してんだ?」
「あ、あわわわ、は、んんっ、小清水くん。いや、その、これは、あのね」
由希がエマにこっそりと耳打ちをする。
エマは頷いてカメラを二人に向ける。
「ちょ、ちょっとエマちゃん」
「な、ななななな、何を!?」
「撮らせてくださいです!」
エマは必殺の満面の笑みでお願いする。
晴はその笑顔に思わず目をやられた。
「……はあ、わかったよもう」
「お姉さんと一緒に撮りたいです!」
「わ、わわわわ、私も!?」
「だめですか?」
「だめじゃないです!!」
綾子のその返答はほぼ即答に近かった。
「兄ちゃん、ちゃんと撮らせるっていったね?二言はないよね?」
「わかったわかった、もう好きにしてくれ」
「じゃあ二人とも笑ってくださいですー」
エマは晴と綾子をしっかりと画面に収めて撮った。
少し恥ずかしそうな顔をした晴と真っ赤な顔をした綾子が野菜をバックに映っている不思議な写真であった。
「……ええと、エマちゃん?これ、この写真、あとでもらえたりするのかな……?」
「あとで写真にする方法聞いてみるです」
「う、うん、お願いね……お願いね!」
「はいです!」
こうして綾子とエマは秘密裏に約束をした。
綾子はメモに「エマちゃん、写真、本当にありがとう」と書き込んだ。
その後も八百屋小清水にある野菜の段ボールや、由希の両親、空になってる野菜籠など、様々なものを撮ったエマは恵と由希を連れて、玲奈と待ち合わせた天崎古書店へと向かうのだった。
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「みんなー!待ってたよ!」
「ごめんなさいです!お待たせしましたです!」
天崎古書店の前で玲奈が手を振る。
隣には真昼もいる。
「みんなこんな楽しそうなことして、私を後回しにするなんてひどくない?」
「えへへ、ごめんです」
「許してあげるよ、私も撮ってくれたらね!」
「もちろんです!」
真昼は嬉しそうに笑って玲奈と腕を組んだ。
「わ、わわ」
「一緒に撮ろう、玲奈ちゃん」
「あ、う、うん……」
少し恥ずかしそうに玲奈は頷いた。
そして天崎古書店の前で、真昼と玲奈はポーズを決める。
それをしっかりと写真に収めたエマはさっそくそれを見せる。
「うん、すごいよエマちゃん、よく撮れてるなあ……」
「えへへ」
写真を褒める玲奈と、照れるエマの横から真昼も覗き込んで写真を見る。
「うわあ、玲奈ちゃんすごい写真写りいいね?」
「えっ、そ、そうかな?」
それを聞いた恵と由希も覗き込む。
一つのカメラを五人で見ようとしているためぎゅうぎゅうになっているが誰も気にしない。
「ほんとだー、れいれいモデルみたいじゃん」
「……うん、確かに、かわいいかも……」
「そ、そんな、その、それは褒めすぎだよぉ……」
玲奈が顔を赤くして頬を抑えうずくまる。
それを見て真昼たちは楽しげに笑う。
「これじゃあ私ちょっとかすんじゃう感じしない?」
「真昼ちゃんもかわいいのです!」
「そ、そうだよ!真昼ちゃんだってかわいいよ!!」
エマと玲奈が真昼を褒める。
直球の褒め言葉に思わず照れてしまう真昼であった。
「さて、あとはやっぱり……」
「朝美お姉さんも撮るです!」
五人が天崎古書店の中を覗き込むと本を読んでいる朝美がいた。
レジの前の椅子で本を読んでいた。
ずいぶん集中しているらしい。
「今日って水曜だよな?なんで姉ちゃん店にいるの?」
「あそこ、本を読むのに落ち着くんだって」
ふーんと由希が相槌を打つ。
裏口からこっそりと入り込んで朝美の前にたどり着いた五人だったがまるで気付く様子がない。
「姉ちゃん、ほんと不用心だよな」
「あ、気を付けて、店の本さわると気付かれるから」
「エスパーみたい」
「……すごいのかすごくないのかよくわかんないね……」
思い思いの感想を口にする四人をよそに、エマは朝美に向かってカメラを構える。
本を読み集中している朝美は、いつも接しているときの朝美より不思議と冷静で知的に見えた。
その様子をさっそく一枚ぱしゃりと撮ってみる。
朝美はそれに全く気付く様子もなくページをめくる。
「どう?どう?」
一番にカメラを覗き込んだのは真昼だった。
それに続いて恵、玲奈、由希が覗き込む。
いつもとなんとなく違う雰囲気の朝美がそこに映っていた。
「おー、いい感じじゃん」
「うーん」
「お、カメラマンさん、気に入らない感じですか」
真昼の言うとおり、エマはなんとなくしっくりこないらしく角度を変えて撮ってみる。
そうして様々な方向から撮ってみたがどうにもエマは何かが違う気がしてならなかった。
うーんと唸るエマを見て、由希がみんなを集合させた。
「よしみんな、ちょっと協力しろ」
「……またろくでもないこと考えてる……」
由希がみんなに耳打ちする。作戦会議が終わると、朝美の周りに四人が集まった。
真昼と玲奈が朝美の左側に、由希と恵が右側に立つ。
「ほ、ほんとにいいの……?」
「あんまりお姉ちゃんを驚かせるのは気が進まないんだけど」
「どうせ姉ちゃんどうやったって驚くよ」
「それは、否定できないけど」
それをエマがしっかりとカメラを構えて機をうかがう。
「エマ子!シャッターチャンス逃すなよ!いち!にの!さん!」
その合図とともに四人が一斉に朝美に抱きつく。
「みっ!?」
その朝美の叫び声とともにシャッターを切る。
「な、え、皆さん!?えっ!?」
混乱する朝美をよそに五人がカメラを覗き込む。
そこには驚く朝美と、いたずらっぽく笑う由希、ちょっと楽しそうな恵、ちょっと申し訳なさそうながらも楽しそうな玲奈、そしてなんだかんだ言って満面の笑みでの真昼が、朝美に抱きついている姿が映っていた。
「どうですカメラマンさん」
「はいです!完璧です!」
朝美は何がなんだかわからないまま五人をぼんやりと見つめていた。
----
「もう、私だってたまには、その、怒りますよ」
「ごめんなさーい」
「いえ、その、そこまでは怒ってないのですが」
「どっちなのお姉ちゃん」
それ以降はそれほど怒った様子もなく、朝美もカメラに少し興味を持っていた。
しっかりと許可を得て古書店の本棚やいつも遊んでいる部屋、キッチンやみんなで眠ったところなどをエマはまた次々に撮った。
朝美ももう一度しっかり撮ってから、エマはふとカメラの電池残量が減っていることに気付いた。
「あ、電池がなくなっちゃいそうです」
「そっかー、じゃあ今日はもう終わりだな」
「……心霊写真あったら教えて」
「こ、こわいこと言わないでよ恵ちゃんー!」
恵の言葉に玲奈がおびえる。
エマは幸せそうにふにゃりとした笑みを浮かべた。
「えへへ、でももう撮りたいものみんな撮ったから大丈夫です」
「ほんとに?」
そういうエマの言葉に真昼は疑問を投げかける。
「……?……うん、もうとりあえずは撮りたいものないと思うですけど」
「もー、エマちゃん、一番大事なもの忘れてるでしょ」
「???」
エマが不可解そうな顔をすると由希が何かを思いついたように手を挙げた。
「あ、あたしわかったぞ!」
「……わたしも」
「……あ、えっと、私も、たぶん」
由希に続くように恵と玲奈も何かがわかったように手を挙げた。
「え、え、なんですか?教えてくださいです!」
「……あ、もしかして」
「朝美お姉さんまでわかったですか!?」
ひとりわからないでいるエマの頬を真昼がぷにっとつついて笑った。
「エマちゃんの写真が一枚もないでしょ」
「……あ!」
今日一日撮ること自体に夢中で、自分のことなどすっかり忘れていた。
その様子を見たみんなが微笑んだ。
「それじゃあ、私がみなさんを撮りますよ」
「姉ちゃん大丈夫?」
「これでも機械に弱いわけじゃないんですよ」
朝美は少しだけむうとした顔で心配する由希に反論した。
「えへへ、じゃあお願いしますです!」
「はい、任せてください」
朝美はエマからカメラを受け取る。
少しだけむむむ、という顔をしながら朝美はカメラを構える。
「姉ちゃん、美人に撮ってな!」
「……るーちゃんも、ちゃんと映してね」
「お姉ちゃん、しっかりねー!」
「朝美さん、その、お願いします!」
エマは思い思いのポーズを撮っている四人のところに駆け寄って、その真ん中に迎え入れられる。
朝美は少しだけ撮影に手間取りながらも、しっかりとそのカメラを構えた。
「それじゃあ、いきますよ、皆さん。はい、チーズ」
真昼が、由希が、恵が、玲奈が。
そしてその中心でエマが幸せそうに笑っているその写真が、その日の最後の一枚にして、エマにとって一番のお気に入りの写真になった。
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