薔薇の名前② オールドローズとモダンローズ
知られざる薔薇の世界を語る今回のシリーズ。本来は薔薇の名前を紹介する予定でしたが、前回は歴史を語るだけで終わってしまいました。どうやら作者の想像していた以上に、薔薇の世界は深いようです。
ジョゼフィーヌの死からおよそ50年後の1867年、フランスの
ラ・フランスの親になったのは「ハイブリッド・パーペチュアル」と言う系統の薔薇で、大輪の花を付けると言う習性がありました。人気も高く、19世紀後半には1000種以上が存在していたと言われています。
大きな花が魅力的なハイブリッド・パーペチュアルですが、一方で難点もありました。多くの花が春に一回だけ咲き、同年に再び花を付けるかは運任せだったのです。この習性は前回紹介した「
ギヨーは大輪の花を一年を通して楽しむため、「ハイブリッド・パーペチュアル」に「ティー」と呼ばれる系統の薔薇を交配させました。
「ティー」は中国産の品種を源流に持つ薔薇で、前回紹介した同名の香りを放つことが特徴です。何より多くの品種が
二つの系統を交配させて生み出された「ラ・フランス」は、見事に双方の優秀な点を引き継ぎました。そしてまた一年を通して大輪の花を咲かせる逸品は、「ハイブリッド・ティー」と言う新しい系統を誕生させます。
ハイブリッド・ティーは更に様々な品種と交配され、幾つもの系統を生み出しました。また
薔薇の世界ではハイブリッド・ティー以後に誕生した系統の花を「モダンローズ」、それ以前に作られた系統の花を「オールドローズ」と呼んでいます。現代の街を
古代から品種改良の行われてきた薔薇には、数万にも及ぶ種類が存在すると言われています。色とりどりの花々が目を引くのは言うまでもありませんが、意外と面白いのが薔薇の名前です。
人の手によって作り出された品種には、それぞれ個性的な名前が付けられています。例えば『
ちなみにシュネーヴィットヘンが作り出されたのは1958年のことで、500年前を舞台にした『
日本の京成バラ園も1972年に「新雪」、1990年に「
また純白の色を
星の名前が付いた薔薇は他にも存在し、「おりひめ」や「ひこぼし」、おうし座の一等星「アルデバラン」などが該当します。
参考資料:別冊NHK趣味の園芸 バラ大百科 選ぶ、育てる、咲かせる
上田善弘、河合伸志監修 日本放送出版協会刊
京成バラ園芸株式会社 公式ホームページ
http://www.keiseirose.co.jp/index.htm
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