第2話あたしがもし10年後に事故にあっていたなら。

今とは真逆な応対だったんだろうなって思う。


当時はね、悪いほうの手足で何ができるかっていう目線だった。


でも今のリハビリだと、悪いほうを重点的にやるって、誰かから聞いた。

それっていいなあって。


あたしはからだの障害もあるんだけど、右麻痺っていうね。

実はこころにも、もやもやたまってる、いわゆる精神疾患なんだけど。


それもからだと同じで。

まだ元気だったころ、もうむしゃくしゃするんで、

母親に小児科に連れてってもらって診察したら、

もっと大きい病院で診てもらいなさい、精神科で、って言われて。


そのころの精神科のイメージも、今とは180度違った。


大病院に親と行って、待たされて、呼ばれて、ついた名前は「うつ病」だった。

とりあえず気持ちを落ち着けるお薬を、って言われて、しばらく飲んでたら、

17の事故。


精神科はうやむやになっちゃって、バタバタしつつも、ふと気づくと眠れない。

今度は近くの個人病院を、ドクターショッピングした。


でもね、からだのお医者さんじゃないわけでしょ。

こころ・ハートを診てくれるお医者さんだから、こっちがAって訴えてても、

ああそれはBですね、お薬出しますねで終わっちゃう。


しびれ切らして別の病院に行くと、Aの答えは「Dですね、お薬だしますね。」


途中にインターネットっていう便利な文明の利器が手に入ったんで、

それで検索してみると、AもBもCもDも8割くらい当てはまって、

でも残り2割は違うパターンだった。


さぁて、困った。


あたしの病気って、なんなんでしょう?




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