友情遊戯 #10
漸く首のコルセットから開放された叶を、事故の
既に警察の
「じゃ、そういう事でよろしくどうぞ」
叶は予め修理工場から貰っていた修理
「
弁護士は
「ふぅ、さてと」
安堵の溜息を吐いた叶が時計を見上げると、午後五時四十分を差していた。
「よし、そろそろ行くか」
独りごちた叶は、ソファに置いたスポーツバッグを持ち上げて事務所を出た。
車が無いので
「あー叶さん! お久しぶりッス!」
近寄った片岡も
「何だオマエ、気持ち悪いな」
「いやいや叶さん、何でもっと早く来てくれなかったンスかぁ~? 生で見たくて仕方なかったンスから俺~」
笑顔で告げる片岡に、叶は更に表情を
「生で? 何の事だ?」
「えぇ? これッスよぉ~」
叶の質問に、片岡はハーフパンツのポケットからスマートフォンを取り出して操作し、画面を叶に示した。映し出された画像を見て、叶は思わず声を上げた。
「あ!」
それは、首をコルセットでガッチリ固定されて不機嫌そうな叶の姿だった。画像が
叶は顔を真っ赤にして片岡の手からスマートフォンをひったくり、ジム内を見回して目当ての人物を見つけ、
「オイ玲奈! オマエだなコレやったの!?」
それまで鏡に向かってシャドーボクシングをしていた玲奈は、画像を一瞥して事もなげに言った。
「あぁそれ? 良く撮れてるでしょ~、 皆大ウケ」
玲奈の言葉で、叶は練習生達の反応の理由を悟った。スマートフォンを片岡に向かって放り投げると、呆れ顔で言った。
「ったく、オマエのせいでとんだ
「そんな事無いよ~、皆言ってたよ、アニキ可愛いって。良かったね」
シャドーを続けながら玲奈がフォローするが、叶には何の
《続く》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます