第4話
スライムをあっさり倒した俺はスライムの予想以上の弱さにガッカリしながらスライムの魔石を魔法の箱にしまった。
弱すぎてダメージを受けなかったのは良かったけどせめてもうちょっと耐えて欲しかった。次はスライムじゃない魔物と会えることを願おう。と軽くフラグを立ててしまった俺は案の定またスライムと出会ってしまった。
2匹目のスライムを瞬殺した俺の目の前にまたスライムが現れた。今度は3匹同時に...
「この森はスライムしかいないのかよ...」
と半ば諦めながら3匹のスライムを倒しきった瞬間、力が湧き上がる感覚があった。お、これはもしや...と思い、ステータスと念じる。
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《ハクヤ・クロセ》Lv2
体力 115/115
魔力 180/180
攻撃 10
防御 11
魔攻 23
魔防 22
俊敏 13
スキル
『魔法の箱Lv1』『空飛ぶ靴Lv1』『情報掲示Lv1』『スマッシュLv1』
称号
『異世界人』『奸智神の加護』
魔法適正
炎・水・雷・土・風・闇
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レベルアップだ。
やっぱり魔法系のステータスの伸びが凄いな...
まだ魔法使えないから意味ないんだが...
ん?あ!新しいスキルがある!
◎スマッシュ
武器で相手を殴りつける際、衝撃波を発生させ威力を上げる。
.....うん。これ絶対あとあと死にスキルになるやつだよね。魔法が使えない今しか使い所ないだろ絶対。
まぁ今はありがたく頼らせてもらおう。
新スキルを確認し、スライムの魔石をしまっていく。と、魔石の横に牙か爪らしき物を発見した。
早速情報掲示を発動する。
◎闇狼の牙
闇狼のドロップアイテム。サイズは小さいものの、鋭く尖っているので武器や防具、アクセサリーなどの素材になる。
ん?ドロップアイテム?スライムから?なんで?などと、疑問が飛び交っていたが、スライムがなんでも食べることと、牙がほんの少し溶けてることから、おそらく何処かで闇狼が死に、ドロップした牙をこのスライムが食べてしまったが、硬かったために消化に時間がかかり、消化途中で俺に倒されたのだろうと結論付けた。
それにしてもドロップアイテムまで有るとなるととことんファンタジーな世界だなここは。なんにせよこの森がスライムの森じゃなくて本当に良かった。さて、探索を続けるとしよう。
しばらく歩いているとリポンの実とはまた違う果実を見つけた。
◎キュアの実
食べると体力を回復してくれる果実。
キュアの実一つでリトフク草3束分回復する。中級ポーションの素材。
おぉ、素晴らしい果実を見つけたようだ。こんな美味しそうな物で体力を回復できるとは万々歳だな。
なるべく取っておこうとしたもののキュアの実の木が大きいため、手の届く範囲でしか取れず、収穫は4つだけだった。
グウゥゥゥ
キュアの実を魔法の箱にしまい終わるとお腹が鳴り出した。そういえば朝も食べてないし、ドーナツ型の太陽が真上に来ていた。この世界の時間軸が地球と同じならちょうどお昼頃だ。
俺は魔法の箱からリポンの実を3つ取り出して食べた。やっぱり美味い。
口の周りに付いた果汁を拭い、立ち上がる。すると、可愛らしい動物と目が合った。8メートルくらい先に兎がいた。この世界にも兎がいるんだなぁなどと考えていたら兎が猛スピードでこちらに向かってくる。人懐っこいのかなぁなどと考えていたら違和感に気付いた。
...あれ?角がある...
そう思った時には兎が目の前でこちらに飛んでいた。咄嗟にしゃがんで避ける。
メリッ
後ろでなにやら変な音がした。振り向くとそこには...
木の幹に角をめり込ませている兎の姿があった。角が刺さっている間に情報掲示を発動させる。
《
見た目は可愛らしいが、その鋭い角を利用した突進はかなりの威力と貫通力がある。
危ねぇ危ねぇ危ねぇ危ねぇ
今の避けて無かったら確実に片目失ってた。
この世界の兎危なすぎるだろ。可愛いなりしてなんて恐ろしいんだ。
そんなことを考えているうちに兎は木から角を抜き、こちらに向き直す。
そして足に力を込め、飛ぶ。
動きが単純だからなんとか避けられるもののこのまま避け続けたらこっちのスタミナが持たないだろう。逃げるにしたっておそらくこっちの方が遅い。
倒すしかない。
兎の攻撃を避けながらなんとか作戦を考える。兎の攻撃を利用してこちらの攻撃を当てるしかない。さっきの経験からするとけっこうな隙ができるだろう。
比較的太い木を背にして立ち、兎の攻撃を誘う。案の定単純な突進攻撃がきた。そこで避ける。兎の角は木に深々と刺さり、抜けにくくなっているようだ。
今だっ!
「スマッシュ!!!」
下から上に打ち上げる。兎に攻撃が当たると、2メートルほど上空に吹っ飛んだ。
「もう一発!スマッシュ!」
落ちてきた兎が再び上空へ吹っ飛ぶ。
そして、落ちてきた時には魔石と角だけになっていた。
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