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「あー……、うー……」
「
サークルの飲み会だと聞いて、嫌な予感がしたから急いで駆けつけると、案の定、響が酔い潰されていたから引きずって家に連れて帰った。
「きぼちわるぃ……」
「カルーアミルク飲みました?」
「飲んだ……」
「あれ、度数の割に飲みやすいから気を付けないとダメですよ」
「そうなんだ……。うっぷ……」
「とりあえず吐きましょう」
「うえーい……。おろろろ……」
ふにゃんふにゃんの響は、便座に上半身を預けると豪快に戻した。
「にゃるほろ……、教えてってこういう……」
「はい。場合によっては危ないので」
「ありがとうね……」
「いえこのくらい。お水持ってきますね」
「ほい……」
ぽやー、っとした感じで受け答えした響は、また便器に向けて同じ様に戻した。
まあ、なんだかんだでお嬢様だし、恋愛のベクトルも私にしか向いてないから、っていうのはあるんだろうけど、それにしても、だ。
私が付いてなきゃダメ過ぎない……?
頼られるのは嬉しいし、響が良いなら良いんだけど、個人的にはもう少し自分から行動した感じの方が良いような気がするんだよね。
そんな事を考えながら水を
「はいどうぞ」
「うい……」
コップを受け取ると、むせないようにチビチビと水を飲み始めた。
「あの、響」
「んえ?」
押しつけがましくならない様に、私はさっき思った事を響に説明した。
「そーだねー……。なんかあってからじゃ遅いしね……」
不満そうとか嫌そうとかは一切無く、響は真剣な顔でぐでぐでと頷いた。
「とりあえず、手始めに予定を楓に全部共有しとくといいかな」
「共有どころか管理まで私がもうやってるじゃないですか」
「じゃあ、
「そういうことにしておきましょう」
「あと分かんないことは訊くけど、なんか危なそうだなってなったら教えてね」
「はい」
結局、私に依存してるのはそんなに変わらないんだけど、まあやり過ぎは良くないからこのくらいでいいか。
あれ。もしかして、こうやって私が甘やかすから余計悪化させてない……?
これで安心、とほわほわした感じでいる響を見ながら、私はその事に気が付いた。
「えっちするときも、私が楓を気持ち良くしてあげた方がいいかな?」
「んぶへッ」
ぴこん、と頭に電球が出た感じの動きをして、響はものすごい方向から能動的な提案を私にいきなり振ってきた。
「……。酔いすぎですよ。まだ夜中でもないのに」
「この前の土曜日は朝からしたじゃん」
「……いやまあ、そうですけど」
「生活より頼り切りだからねっ」
やたら素早く立ち上がった響は、私を壁際に追いやってずいっと迫ってくる。
「ちょちょ……。せめてシャワーをですね……」
「りょーかい。1人は危ないから見ててもらっていい?」
「中で、ですか」
「そう。転んだら危ないし」
一旦ユニットバスから出て服を脱ぐ響の足元は、どうみても転ぶ人のそれには見えなかった。
「楓も早く早くー」
「なんでそんなに早いんですか」
「そりゃあ、ねえ?」
「ねえってなんですか。ってお酒臭――」
「――ん。うへへ……」
「ちょ……。ひび――」
全裸になった響は我慢出来なくなったらしくて、私が下着を脱ぐ前に特濃のキスをしてきた。
で、翌朝。
「……」
「ごめんね楓……。今度からお酒は控えるから……」
響が酔った勢いもあってか、ものすごくがっついてきたせいで、私は疲れ果てたのと腰痛で動けなくなってしまった。
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