終章 いつかまた、この小さな庭で⑱ ラストケーキ 前編
「ちゅっ……♪ お帰りなさいませ、お嬢様♪」
「んむぅ……!?」
卒業式から帰ってきた、制服姿のリズさん。
亜麻色ロングの百合メイド
「えへへー、あたしも、あたしも♪ ちゅっ♪」
「お、お帰りなさいませ、お嬢様。……ちゅ♪」
見回せば、店内はいっぱいの百合の花で飾られていて……リズは、自分のための送別会なのだと気付いた。
「みんな……」
つい涙腺を緩くするリズさんへ、由理が照れながら、
「わ、私もだけど、リズさんとキスしたい人、いっぱいなんだから。覚悟、してよね?」
「ど、どんなに吸われちゃうのかしら……わくわく♪」
というわけで、百合メイドに、お客様たちに……「リトル・ガーデン」の小さな店内がぎゅうぎゅうになるくらい集まった女の子たちと、リズさんとの大唾液交換会の開催である。
「……ちゅっ♪」
「んぷ。む、ちゅぅぅ……っ♪」
「ちゅぱっ。ちゅぱぁ……♪」
百合キスの花が咲く……ここは、愛の花園。
常連客を代表して、季紗の家のメイドさん、白髪ロリータ20歳の
「んっ、ぷちゅぅ♪ ふ、ふぶきはクールビューティれすので、寂しくなんてないですし? 季紗お嬢様を惑わすおっぱいが無くなって、むしろ一安心ですけど?」
口づけを交わして赤くなりながら、憎まれ口を叩く……高度な技術。
でも、にこっと笑って、唾液を吸った。
「でも、貴女には感謝してるです。このお店に入って、季紗お嬢様は、よく笑うようになったですから」
「ふふ。『リトル・ガーデン』はいつだって、悩める乙女の味方ですもの」
毎日百合キス、ひたすら百合キスするお店……百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。
変なお店だけど、それでも……誰かの大切な場所になれたなら。
一生懸命ちゅっちゅした甲斐もある。リズは誇りを胸に、ふぶきの口内粘膜をねちゅねちゅした。
「ちゅぶぅぅ……ん♪」
※ ※ ※
「ふふ、ここでリズさんへ、宮野さんたちからサプライズがあります♪」
可愛らしく頬へ手を当てた乙女ちっくなポーズで、季紗が微笑む。
……そういえば、りりなたち非常勤組が、姿を見せていない。
「い、いちおう言っとくけど。私は、止めたんだからね?」
由理がすごく赤くなっている。
美緒奈も羞じらい、ツインテールの毛先を弄りながら、
「ちょ、ちょっとやべーかなーとは、思うんだけどさ。ほら、うちのお店の名物だし……宮野ちゃんたちが、どうしてもやりたいって言うから……」
桃色の空気が漂ってくる。
お店の奥、更衣室の方から。
「あ、も、もしかして……」
勘付いたリズさんが顔を赤くする中、「リトル・ガーデン」で特別な日にしか出ない、その「ケーキ」は現れた。
「はーい♪ 乙女ケーキ卒業スペシャルでーす♪」
「み、みんな下着ぃぃぃぃぃぃ!?」
宮野りりな、早乙女早百合、外川粧子、内山凛夏、
でもそこは百合メイド喫茶なので、お客様達からもきゃー♪と黄色い歓声が上がるのである。
「ふっふー、今日は特別な日だし? リズさんに、最高のケーキを食べてほしいなって、思ったんですよ♪ さあ、私たちを召し上がれ♪」
女体盛……乙女ケーキと化したりりなが、頬を赤らめもじもじすれば、胸の谷間にバナナを盛り付けた早百合が、表情的には清楚な笑顔でにっこり。
「ふふ、私もりりなのカラダが見られてラッキー……じゃなくて、こほん。リズさんへ、素敵な百合プレゼントを贈りたいねって、みんなで話し合ったんですよ♪」
「まあ……私、愛されてる……♪」
感激してるリズさんへ、乙女たちの下着姿から目を背けつつ、赤い顔の由理が指摘。
「これ感動するところなの……?」
そして大人っぽい百合メイド、リズと同じ高3だった粧子、
「ふふ、私も卒業生だもの。お祝いに、ちょっぴり羽目を外してもいいわよね。ぽっ♪」
ちょっぴり羽目を外してお胸の上にクリームです。
こちらは高校2年の褐色肌スポーツ少女、内山凛夏は、
「私、この準備でお腹ペコペコなんだよなー。早く皆で食べ合おうぜ♪」
この状況だと性的な意味にしか聞こえないセリフを吐いた。
新人メイドの千歌流と円美は、真っ赤になりながら、「もうお嫁に行けない……」とかつぶやいている。
「ふぇぇ、円美まだ15歳ですのに。こんなことして、良いのでしょうか……?」
「ア、アウトに決まってるでしょ!? ふーぞくでもやらないわよ、こんなことっ!」
……ともあれ。
今日くらいは無礼講で許そうと思ってたら予想以上にえっちなことになって、「私はなにも見てない。なにも見てない……」と頭を抱えてる、
「ふふっ、リズさんも制服にクリーム着いちゃいますし。脱ぎ脱ぎしましょー♪」
「やぁん、りりなちゃん。私、恥ずかしいわ……♪」
白レースの下着姿になったリズさんを、6人の百合メイド(下着姿)が囲んで、白昼堂々、お店の中……唇に、胸に、いろいろなトコロに、舌を這わせるのだった。
「ちゅぷぅ♪ れろっ、くちゅぅ♪ るぷ、るぷぅ……む、んぷぅ♪」
「ずぷ、くちゅぅ♪ んんっ、なんか、甘いお汁があふれてきたぁ……♪」
「ふぁっ、ひやぁん!? だ、だめぇっ、そこ……んんっ!?」
「かぷっ♪ あ、このピンクの苺、美味しいな♪」
「んくぅ♪ 凛夏ちゃんまでぇ……♪ それ、苺じゃなくてぇ……んんぅ、ああん♪」
ちゅくちゅく、にゅるにゅる……。
この期に及んで、まだ、「これはケーキを食べてるだけです!」と言い張ってみるが、由理が顔真っ赤にして叫んだ。
「こ、これ……! これって、さすがに、ふーぞく100%」
「ゆ、由理にはまだ、刺激が強過ぎるかなー?」
美緒奈が後ろから、手で由理の眼を隠す。
その由理にも聞こえないくらい小声で、羞じらいの言葉。
「あ、あたしにも早いけど。由理にだったら、食べられても、いいけどね」
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