もっと! ももいろお風呂祭り 終 ゆりみお

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」のお風呂で、裸で百合キス。

 愛情マシマシな光景も、この2人だと……?


「……ちゅっ、るぅんっ、くぅ♪ み、美緒奈みおなってば、舌、絡めすぎぃ……」


「ふぁっ、あ、あたし挿れてねーし。由理ゆーりが、んっ♪ ケダモノなんでしょ?」


 セミロングの由理と、ツインテールを解いて髪を下ろした美緒奈。

 正面から裸のカラダを擦り付け合い、湯煙の中で接吻……新婚さんの初夜より激しいキスをしながら、ケンカするという器用な真似をしていた。


「じゅぷっ♪ ぬちゅっ♪ へへー、美緒奈様は可愛いかんな。由理がドキドキしちゃうのも無理ねーけど♪」


 にししと(唾液をたらーりと零しつつ)笑みを浮かべて、美緒奈様は脚を開く大胆ポーズで誘惑。

 由理が頬を染めて叱る。


「ば、ばかっ。乙女がそんなポーズしないのっ」


「べ、別に……誰にでも見せるわけじゃねーぞ?」


 恥ずかしい格好をして、照れながら睨んでくる美緒奈の視線は、破壊力抜群だ。

 心臓がどっくんどっくんしてるせいか、由理の胸の辺りがなんだか赤い。


「だ、だから、やめてよ……」


 美緒奈の裸に視線が引き寄せられちゃう自分に戸惑いながら、由理は真っ赤な顔で……。


「……ドキドキ、し過ぎちゃうじゃない」


 今度は美緒奈の方がきゅんと来た。

 ツンデレ百合乙女たちの、デレ合戦、開戦である。


「ゆ、由理こそっ、あたしをときめき殺す気!? い、言っとくけどっ。あたしの方がドキドキしてるんだからねー!?」


 美緒奈は八重歯を見せて威嚇しながら、由理の手を握って。

 自分のつるペタな胸の上に、触らせた。


「ほ、ほらっ……すごいよ?」


 ぷに。

 感触に、由理の頬がますます熱く。


「ば、ばかばかぁ!? そ、そんなっ、胸触らすなんて……その……」


 由理、赤くなりすぎて黙ってしまった。

 照れが伝染して、2人で真っ赤に。湯気が隠してくれるのが救いかも。

 もじもじする2人、そのまま桃色な空気が流れる前に、美緒奈ががーと吠えた。


「だ、黙るなってば―!? キ、キス! キスするよ!?」


「な、なんでぇぇ!?」


 照れ隠しにも百合キス。そんな百合メイドたちである。


「ちゅっ、むぱぁっ♪ るっちゅ、るちゅん♪」


「にゅぱぁ、にゅちゅっ♪ ぐむんっ、ふぅぅ……♪」


 またまた全裸のカラダと唇を重ねる少女たち。

 甘く蕩ける唾液蜜を、聖なるシャワーみたいにキラキラ撒き散らしながら、百合の饗宴はいつ終わるともなく続く……。


「み、美緒奈のばかぁ♪ こんなっ……もっとキスしたく、なっちゃうじゃない……。ちゅっ♪」


「んんっ♪ はぁ? あ、あたしの方が、キスしたがってるかんね? ……ちゅぅぅ♪」


 ケンカしながら百合キス……エンドレス。

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