もっと! ももいろお風呂祭り⑤ きさリズ

「むー……」


 今夜も百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」のお風呂で、女の子が裸。

 湯船の中から季紗きさが、リズさんがカラダを洗うの見てた。


「ど、どうしたの? じっと見て」


 巨乳な全裸を泡で包まれたリズさん、視線に頬を染めて胸を隠す。

 季紗はというと、湯船から上がりながら、


「えっとね、もちろんリズさんと裸でキス、したいんだけど……」


 桃色の唇をなぞりながら、思案顔だ。


「たまには、いつもと違う百合キスしてみたいかなって。それで考えてるの」


 正面から、リズさんの顔を覗き込む季紗。

 キス寸前に顔が近いけど、この2人にとってはいつものこと。そのままキスするのも珍しくない。

 というかキスした。


「……ちゅっ。んぷぁっ」


「ぷふぅ♪ んっ、にゅるぅぅ……♪」


 季紗の形の良い胸が、リズさんのおっぱいとくっついてぷにゅぷにゅする。

 全裸で抱き締め合って、唇と舌をコラボレーションさせるけど、まあ、いつも通りだ。


「んきゅ♪ ……ぷはっ♪ わ、私はいつもの百合キスで満足だけど……だめ?」


 もっともっと舌を挿れてほしい……そう青い瞳で語るリズさんへ、季紗は赤く染まった頬を手で押さえつつ、


「ううん、リズさんの唾液、今日も美味しくて。私だって、もっと飲みたいんですけどぉ♪」


 かなり変態さんなコトを口走った後、急に真面目な顔で。


「……こうやって、リズさんとキスできるのも、あとひと月くらいでしょう? 思い出に残るキス、したいの……」


「季紗……」


 「リトル・ガーデン」で、いっぱい百合キスしてきた2人。

 お風呂の湯気より湿っぽい空気が、彼女たちを包み掛ける。


 けど、季紗がそれを吹き飛ばした。


「というわけでリズさん! 今夜は唇だけでなく、カラダ中にキスさせてね♪」


 んむー♪と唇を突き出して、リズをお風呂で押し倒した。


「むぷっ♪ ちゅぱっ♪ ふふっ、お胸とかお腹とか……言えないトコロとか♪ 普段キスしない場所に、キスしちゃいますよー♪」


「ひゃわぁぁ♪ だ、だめぇ、これじゃまるで……んひゃぅ♪」


 ……すごく、えっちです。

 泡に塗れながら、ぬるぬるとじゃれあう乙女たち。


「ちゅっ♪ んんっ、くぷくぷ♪ りゅっぷ、ちゅあんっ……っ♪」


「ふぁ、やぁぁ……♪ そこは、吸っちゃダメなのぉ……♪」


 けれど。

 深い絆で結ばれた2人にとっては、この淫靡な行為も、神聖なものだった。


(……リズさん。もっと、キスマークとか、歯型とか、私の跡を付けてしまいたいの。貴女が、私を忘れないように……)


(季紗ったら、こんなに吸って。ふふ、私のコト、大好きでいてくれるのね……)


 2人が出会った頃……リズさんは来日したての高校1年生で、季紗は学校に百合バレして悩んでた中学生の時。

 この百合メイド喫茶で出会って、一緒に働くようになって、それからは世界中の熱々夫婦にも負けないくらい、毎日ちゅっちゅしてきた。


 そんな2人のお別れ前の百合キスは、深い親愛と、思いやりに満ちていて……。

 天使の羽根や大輪の百合が背景バックに見えても、なにも不思議はない。


 やってるコトは、すごくえっちだけど!!


「ちゅぅぅ♪ ずちゅ、ずちゅん♪ ぬりゅっ、ぬるるぅぅ……♪ リズさん、だーい好きっ♪ ぐちゅぅぅっ♪」


「やっ、だめぇぇっ♪ 季紗、愛情表現が激し過ぎるぅ……♪」


 ぷしゃぁぁ……と色んなしずくがお風呂に飛び散るけれど……ぜんぶ、愛の産物ということにしておきましょう。


 ※ ※ ※


「ふにゃ……♪ お風呂、汚しちゃったぁ……♪」


 タイルの上に裸で寝そべって、ぐったりリズさん。

 その上気した頬に口づけしながら、同じく全裸の季紗が微笑む。


「ちゅ……♪ ふふ、リズさんはなにしても綺麗よ♪」


 仲良し乙女の結びつきは、世界の何より美しい……。

 そんな、清らかな夜でした。


 後から入ってきた由理が、お風呂の中の匂いを嗅ぐなり真っ赤になる。


「うひゃわっ、えっちな匂い!?」

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