「リズ=ノースフィールド」編⑤ 胸の高鳴りはいつからだったろう

「え、えっとね。私も、リズさんとのデート、考えたんだけど……」


 最後は由理ゆーり

 リズさんのゴス系衣装+巨乳の破壊力に、ドキドキしながら……彼女を連れて来たのは。


「や、やっぱり口移しがいいかなーって。……だめ?」


 池袋のお洒落な喫茶店(百合メイド喫茶ではない)にて、甘いミルクアイスが乗ったチョコパフェを前に、由理は赤くなった。


「ね……だめ?」


「ゆ、由理ったら、もう……。ここ、街中よ?」


 さっそく接吻の提案をされて、恥ずかしがるリズさん。


 由理、リズさんの前では久々の、ツンデレな照れ顔でそっぽを向いて。


「べ、別に口移しぐらい、普通でしょ。私たち……こ、ここ、恋人同士、なんだから」


 キスくらい普通。そう強がりながらも、声は緊張に上擦って。


「ああ、もうっ! と、とにかく私は! リズさんとキスしたいのっ! いっぱい、いーっぱいキスしたいんだからぁ!」


「ふぁ、由理が壊れちゃってる!?」


 大都会の、一般のカップルも大勢いらっしゃる喫茶店で、百合キス宣言しちゃう由理……立派な百合乙女として成長した由理が、チョコパフェお口に含んで、


「……ちゅう♪」


 キスすれば、都会の真ん中もほら、二人だけの世界に。

 甘く広がる、チョコと唾液の味。


「……んぱっ♪ ちゅっ、ちゅぷ。ふー……ずちゅっ、ちゅうぅぅっ♪」


「ちゅ、ちゅ♪ んふぅ、ちゅー……ん♪」


 喫茶店の中、世界中のカップルへ見せつけるように、百合キス。


「ふぅぅ……っ♪ ぢゅぷぁ、ちゅみゅぅ♪ るぶ、ふぷぅー……ちゅるぅ♪」


「みゅぅ、みゅーっ♪ んぐ、ぷちゅぁ、ちゅぱぁ♪ ん、んんっ♪ ずちゅぁ、るぷぁ……♪」


 指を絡めて、舌も絡めて、唾液の糸引く濃厚舌挿れ接吻ベーゼ

 ぽかーんとしてる周りの客や店員へ、由理がフォローする。


「ぷはっ♪ ただの恋人同士ですので、お構いなくっ!」


「ふにゃぁぁ……♪」


 ずぽずぽキスされて、ネコちゃんになってるリズさん、もじもじしながら、


「ゆ、由理ったら♪ 今日は、美緒奈みおなより季紗きさより、キスしたがりさんみたいよ?」


「えぇっ、私が!?」


 これだけキスしといて、まだ美緒奈や季紗より自分はノンケ、と思ってた由理。

 女の子同士のキスで、こんなにも胸が高鳴るようになったのは……いつからだろう。


 かぁぁっ、と赤くなりながら言い訳。


「……リ、リズさんのせいだよ? 私が、こんな、おかしくなっちゃったの」


「ふふ、そっか。そうなのよね」


 嬉しそうに口許をほころばせるリズさんへ、睨むような顔を作ってみせながら……。

 由理は、精いっぱいデレた。


「で、でも、後悔なんてしてないから……もっと、キスしていいんだからね?」


 ……その後、めちゃくちゃ百合キスしたのは、言うまでもないですね?

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