ときめきハロウィン週間 終 百合キス、伝承。

 ハロウィン週間も終わり、今日はお店の定休日。

 4人の百合メイドで、ハロウィンの飾りを片付けたり、模様替えをしていた。


「ふふ、おかたづけをがんばってくれたら、ご褒美にお風呂で百合キスよ♪」


 なんてリズさんが言うから。


(……な、なんか、私、すごい張り切っちゃった!?)


 由理ゆーり、自分でびっくり。

 今は裸でリズと抱き合って、お風呂でぬるぬる。

 天然産まれたままの桃色お肌を愛撫し合いながら、ちゅっちゅと百合キスにふけっているところである。


「ちゅっ……んむ、ぐちゅ……。ずぷ、んむぅ……♪」


「ぢゅっ……ぢゅぼぅ♪ ちゅぅ、ずぶぅ……♪」


 全裸のカラダを擦り付け接吻していると、ちょっと(?)えっちな気持ちに。

 胸のドキドキに戸惑いながら、由理は思う。


(キスしたい。もっともっと、百合キスしたい……。でも、いいのかな、こんなの?)


 どんどん、えっちになってる。

 美緒奈みおなとも、季紗きさとも、リズとも、もっといっぱい百合キス。濃厚なキスしたくなってる。


(うわぁん、リズさんの唇も甘ぁい♪ ノンケには戻れないよぉ……♪)


「ちゅ……ちゅぷ♪ ふふ、いいんじゃないかしら、レズで」


「な、なんでわかったの!?」


 思考を読まれた?

 唾液の糸を引くリズににこっと微笑まれ、由理は焦る。


「だって、由理のことは分かるもの。キスすればね。毎日いっぱい、キスしてるんだからね♪」


「リズさん……♪」


 というわけで、ちゅっちゅっちゅっ。

 百合キスは、コミュニケーション。


「ちゅぅ♪ ねえ、由理?」


「ちゅぷぅぅ……♪ な、なぁに、リズさん」


 湯気で暖まってピンクに色づく肌を、深く重ね合いながら。

 ……色づいてるのは、2人ドキドキしてるからかも。


「……来年も、お願いね。私がイギリスに帰っても、また、素敵な百合ハロウィンを……」


 青い瞳で微笑みながら、まっすぐに見つめてくる。


「女の子同士でこんなにキスできる……『リトル・ガーデン』は最高のお店よ。貴女に、護っていってほしいな」


 真剣な、お願い。

 来年には母国へ帰るリズに、願いを託されて。


 ……返事は、もちろん百合キスで。


「……ちゅっ♪」


 それだけで、ちゃんと通じ合える少女達。


(任せて、リズさん。今度はリズさんが、お客様として来た時……今の10倍くらい百合キスして、おもてなしするから♪)


(嬉しい……♪ 日本とイギリスに遠く離れても、私達繋がってるわね。この銀糸みたいに♪)


 こうした会話を、


「ちゅっ♪ ちゅぷぅ♪ ずぷっ、ずちゅぅ……ぐぷぐぷ♪」


「ちゅぅぅー♪ ぬるぬる、ずぷぷぅ……♪ んっ、ふぷぅ♪ ちゅくぅぅ……♪」


 唇と舌の協奏曲コンチェルトだけで出来ちゃう……魔法みたいな、百合乙女の絆。


 さて、シャワー浴びる前に、汗だくになるまで裸で抱擁し合って百合キスしていると。


「2人だけでずるいー! 私達も片付け終わったから、ご褒美くださいリズさん♪」


「あ、あたしはご褒美欲しいっていうか? お掃除して汗かいたから、シャワー浴びようってだけだけど? お風呂で偶然会った由理が、美緒奈様によくじょーしてキスしたくなっちゃうってなら、しかたねーよな♪」


 季紗と美緒奈も、全裸でお風呂に入って来た。

 女の子4人。広くないシャワールームが、裸でぎゅうぎゅう夢空間。


「こ、これを綺麗な光景と思っちゃってる私がいる……!?」


 胸きゅん由理、もう一般人には戻れない。


 でも。


「ふふ、じゃあみんなで百合キスしましょうか。裸で百合キス♪」


「はーい♪」


 清い笑顔のリズに、乙女達は元気にお返事。

 お風呂の中、甘い、甘い百合キスで、心まで蕩け合えば……。


「ちゅぷぅ、ちゅぱぁ……♪ うん、私……幸せかも♪」


 由理は、幸せを噛み締めるのだった。

 女の子の、唾液といっしょに。


《ときめきハロウィン週間。終わり》

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