海百合の家へようこそ♪①

 さんさん太陽真夏のビーチ!

 白く泡立つ波打ち際と、抜けるように青い空。


 そして……。

 そして水着! 水着!! 水着であるっ!!!


「夏だー♪ 海だー!!」


 麦わら帽子かぶって、浜辺に降り立つ乙女達。

 由理ゆーり美緒奈みおな季紗きさの3人ともテンションMAX気力150%である。


「こらこら、遊びに来たわけじゃないのよ?」


 車の助手席から降りたリズが、たしなめる。

 爽やかな薄手のワンピースが、胸ではち切れそうだ。


 続いて運転席から店主マスターとおるお姉さん。


「親戚が海の家やっていてな。今日は1日、その手伝いってわけだ」


 親指でくいっと、浜辺の海の家を指す。

 その名も、「ウミユリの家」。看板に大きく「男子禁制!」とか書いてあるぞ!


「ふふっ、由理は去年来てないから、教えてあげるわね」


 リズがにこにこしながら、


「この海の家は、乙女専用! 浜辺でハートを燃え上がらせてる女の子達を、キスでおもてなしする斬新なお店なのよ♪」

「やっぱりそういう店かー!?」


 ……というわけで、海でもちゅっちゅするのです。


 ※ ※ ※


「や、季紗ちゃんっ、そんなに……ぬるぬるしたら、だめぇっ。胸、おかしくなるぅ……♪」

「ふふっ、リズさんがこんな……紐みたいな水着着てるのがイケないんですよ……♪」


 露出高めな黒ビキニで、見えちゃダメなところを辛うじて隠してる印象のリズ。

 その胸を、後ろから抱き付いて揉みしだく季紗は、白のセパレートの水着に、腰に巻いた花模様のパレオがとってもお嬢様で、清楚な可愛らしさ。


「ほら……ちゃんと日焼け止め塗らないと。紐ビキニの跡が付いちゃいますからね」

「んく、あ、あぁっ……♪ そんなところまでぇっ……♪」


 ここは海の家の中、畳の上。

 水着に着替えた少女達は、日焼け止めのオイルをカラダに塗り合っている。


「はぁはぁ……隅々まで塗ってあげますからね。ん、ちゅぅぅ……むむぅ♪」

「んむ、ちゅぅ♪ んん、いきなりぃ、汗かいちゃう……♪」


 畳に押し倒して、百合キスしながら季紗とリズ。

 オイルで濡れた指で、互いのカラダを、琴を弾くように優しい指使いで愛撫。

 抱き合い、接吻くちづけを交わしながら、全身にぬるぬるした液体を擦り込みあう。

 激しく絡み合う女体に、水着が脱げそう。


 ぴちゃ、ぬるぬる……。ぬるっ、びちゃっ。

 大きくなっていく水音に、気持ち良さそうな吐息が混ざる……。


「オイルを塗り合ってるだけだから、問題無い! ですよねリズさん♪」

「ちゅぷぅ、ふぁ、んぁぁー……っ♪ もっと、もっと塗ってぇ♪」


 とっても健全で問題無い行為を見ながら由理、


「完全にアウトだよ!? オイルぐらい普通に塗れってばぁ!?」


 顔を真っ赤にしていた。

 そんな由理の水着は、爽やかなブルーのセパレート。

 夏ですでにほんのり小麦色な肌に、スポーティな水着が健康的だ。


 その腕を引っ張って、


「あれぐらい普通だろ? ほら、あたしにも塗ってよ。日焼け止め」


 ツインテールの美緒奈が微かに頬を染め、おねだりしてきた。

 水着は、白のワンピースタイプ。白スク水に見えないこともない。

 透けそうな薄手の生地がぴっとり、美緒奈のつるペタにジャストフィットしていて、ロリロリしい。


「うわ、似合う……」


 ごくっと生唾飲み……はしないけど、思わず由理は見惚れた。

 なんか悔しいけど、可愛いのは認める。


「へぇ、可愛いじゃない、美緒奈」

「あ、あんまりじろじろ見るなってば、ばか。由理のえっち」


 素直に褒められて照れる美緒奈。水着姿でもじもじするツンデレ顔は、破壊力抜群だ。

 そのツンデレが、由理にも伝染する。


「べ、別に見惚れてなんかないからねっ。ただ、ほら、見なくちゃオイル塗れないでしょ」


 後ろで畳をギシギシさせてる季紗リズとは違い、激しくはせず。

 ゆっくりと美緒奈を畳に座らせ、そのカラダへ覆い被さるようにしながら。

 日焼け止めオイルを掌にとぷとぷと垂らして由理は、美緒奈の幼いカラダへ触れた。


「んっ、冷た……っ♪ そこ、もっと優しく触って……」


 肌と水着の間、腋と横乳のあたりへ、由理の手を取り指を導く美緒奈。

 八重歯の覗く可愛らしい唇が、甘い息を漏らす。


「へ、変な声出さないでよ、もうっ」


 おかしな気分に、なっちゃうじゃない。

 由理は、胸がドキドキしてくるのを我慢した。

 そして指が、美緒奈の下腹部へ。


「んあぁぁっ……。や、やっぱり由理の触り方、えっちぃじゃん」


 挑戦的で蠱惑な小悪魔笑顔を浮かべ、オトナの女な仕草で唇を濡らし、


「美緒奈様に欲情しちゃったか? にひひぃー♪」

「だ、だって季紗とリズさんが……。ああ、もうっ!」

「ふぁ、んぷぅ♪ ちゅぷ、くちゅぅ、ずぷぅっ♪ んんっ、んむぅぅぅ♪」


 後ろでえっちしてるのだ! 違う、オイルをすっごく塗っているのだ!

 こんな背後でぬるぬるされていては、由理もちょっぴり、本当にちょっぴり、胸が妖しく疼くのは仕方ないことである。


「……いいぜ、季紗姉とリズ姉みたいにさ。あたしにも、好きなだけオイル塗って」


 由理の頬に手で触れ、ロリな顔にセクシーな表情の美緒奈。

 ふっと由理の耳へ息を吹きかけ誘惑しながら、腰に手を回した。


「ううっ、こ、これは日焼け止め塗ってるだけ。日焼け止め塗るだけなんだからぁ!?」


 由理の中で何かがプッツンした。

 美緒奈を押し倒し、水着の下までぬるぬる! ぬるぬる!!


「ちゅぅ、んんっ……ちゅぷ、ずぶぷ♪ どう、美緒奈ぁ? 気持ち、いい? もっと塗ってほしいトコロ、ない……?」

「んぷぅ、ちゅ……。んんっ♪ そこぉ、もっと、おへその下ぁぁ……っ♪ あんっ、んぁ♪ 上手じゃん由理、褒めてつかわすぞよ♪」


 再度強調。4人の乙女が日焼け止めオイルを塗りっこしているだけの、健全な、とっても健全な光景です。


「「「「んくぁぁぁ……♪」」」」


「……いきなり飛ばしすぎだろ、お前達」


 大人っぽい水着で見守る店主マスターだけ、ドン引きであった。


 

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