リズ来日編② 曇り空には、天使が降りる
イギリス北部、街外れの荒野に立つ古めかしいお城。
12歳の金髪天使リズ=ノースフィールドは、この城で毎日、お母様やメイド達と百合キスしていました。
「ちゅっ♪ んんっ♪ ……くぷぅ♪」
例によって昼間から、緋色の
曇天の多い北イギリスの気候でも、この城館の中だけはいつも、輝きに満ちている。
曇り無き、百合の輝きに。
「……ちゅぅ。お姉様、もっとぉ……♪」
今日は、少しだけ年上なメイドのおねーさんと指を絡ませて、舌を吸い合って。
ピンク色の柔らかな愛の端子が、ちゅぷっ、ぴちゃっと小さな唇に出たり、入ったり。
「リズお嬢様、か、可愛い……♪ 食べちゃいたいですっ……」
汚れなき百合天使であるロリリズに、メイドさんの胸はつい……きゅんっとときめきのハーモニーを奏でる。
ちゅぷんっ、ぐちゅぅ……。桃色の舌が戯れ合い、唇と唇の間を粘りのある銀糸が行き交う。
「んくぅ……♪ えへへぇ、いっぱい愛してくれて、リズ嬉しいな♪」
てろーん。
舌の先から煌めく液体の粒子を零しながら、にぱっと微笑む……幼女!!
ゆるふわカールの金髪に、人を疑うことをしらないイノセントな青い瞳。
貴方にも見えるだろう、幼いリズの頭上に光の輪が。背中に天使の羽根が!
(※見えない人は、百合の国に強制連行。再教育です)
「うわっ!? お嬢様、まぶしいですぅっ!?」
夜でも電球が要らないくらい尊く目映いリズに、メイドは目が眩んだ。
こんな純真無垢な女の子の唇を……ああ、同性だからといって、奪って許されるのだろうか。
されど案ずるなかれ。
ドレス姿の金髪ロリータ聖幼女、リズ=ノースフィールド12歳は、輝ける百合の天使は……そう、女の子を愛する全ての乙女へ、祝福を施す為にこそ、ご降臨あそばされたのだから。
唇を離したメイドへ、破壊力抜群の上目遣い……泣きそうに潤んだ瞳で。
「やめちゃうの、お姉さま……? リズ、もっと愛されたいのに……」
「うわぁぁぁぁ泣かないでお嬢様ぁ!? しますっ、キスしますからぁっ!?」
ぢゅっ、ちゅる。ずぷ、ずぷ。
ぐちゅぅ、ずるる……にゅるぅ♪
これは卑猥な音? いいえ、少女達の唇と唇が奏でる、愛のセレナーデ。
北イギリス、荒野に建つノースフィールドのお城は、目くるめく百合の館だった。
「ちゅぷぅ、んん……っ♪ ふふ、リズ、百合キスだーい好き♪」
※ ※ ※
イギリスでも1、2を争う百合ん百合ん空間たるこの城で、唯一の男性が、ノースフィールド伯爵。
リズのお父様。
銀髪のオールバックに口髭を蓄えたナイスミドルのお父様、優雅に葉巻をくゆらせつつ、この光景を目撃。
中庭を挟んだ廊下の向こうでメイドとちゅっちゅする愛娘を、自室の窓から、お父様が見てた。
「ふっ……。美しいな」
清らかで芸術的な銀糸ぬらぬら百合キス光景に、心洗われながら微笑む。
え、怒ってないの? とお思いの方へ。
お父様、濡れちゃうくらい渋い声で解説。
「娘や妻がガチ百合……よいではないか。良いかね諸君。私は父であり、貴族である前に……」
煙草の煙をふっと吐き出して、
「百合男子、なのだから」
とのお言葉。ダ、ダンディ……!!
……ダンディ?
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