生絞りお乳を使った、濃厚ミルクパイはいかが?

 美味しい料理も評判の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。

メニューを考えるのは、美人店主マスター真中まなかとおるお姉さんと、そして料理上手なバイトリーダー、金髪巨乳メイドリズの2人。


「ふふ、今月の新作は、ちょっと自信あるわよ?」


 ある日曜の午後、お昼のピークがひと段落した休憩中に。

 リズは由理ゆーり季紗きさ美緒奈みおなの3人をテーブルに着かせて、新作スイーツの試食会を開く。


「新鮮な特濃牛乳をたっぷり使った、生絞りミルクパイ! ほら、食べてみて♪」


 自信作を皿に乗せて、にこにこしながら皆の前に置いていくリズ。

 濃厚ミルククリームが詰まった、甘く香ばしい薫りのパイを、目の前に置かれて3人は。


「ミルク……」

「……牛乳」

「……ミルク、パイ」


 そろって、リズの乳を見た。


「な、なんで私の胸を見るの!?」


 視線から腕で胸をガード、羞じらう金髪おねーさん。

 交差した腕でも、そのぷるぷるは隠しきれない。

 由理と美緒奈が視線を交わして、


「いやー、牛乳って聞いたら、ねえ?」

「想像しちゃうよな……」


 季紗、ミルクパイを凝視ぎょうしして、ごくりとのどを鳴らす。


「こ、この中にまさか……入ってたりして」


 じー……。

 皆揃って、リズの乳を見た。メイド服で窮屈そうな胸を。

 新鮮な牛乳がたっぷり詰まってそうな、特上ミルクパイをいくらでも作れそうな……。


「で、出ませんっ、出ませんから! 入れてないってば!?」


 百合メイド喫茶、春の新作スイーツ……生乳たっぷり濃厚ミルクパイ。

 使っているのは牛さんのお乳であることを、リズは主張。

 バカなこと言ってないで、と試食をうながす。

 濃厚ミルクで作ったバターを、パイ生地にもふんだんに使用。

 さくさくの生地を噛めば、とろりと溢れ出る濃厚ミルククリーム。バニラビーンズを加えているのが味のポイントだ。


「んー♪ ミルキー♪」


 頬を押さえて、甘い牛乳クリームに表情を蕩かせる由理。

 美緒奈も白くどろどろしたミルクをごっくんして、周りにハートマークを飛ばす。


「ママの味って感じだよね。やっぱ、リズ姉天才だぜ☆」


 スイーツは乙女の魂。極上の味に、メイド達は喜びの花を咲かせる。

 中でも一番嬉しそうな季紗、ミルククリームをペロペロしながら、


「リズさんの、母乳……♪」

「だから入ってないってばぁぁぁーっ!?」


 入ってたら100個は食べられます♪と、のちに東宮ひがしみや季紗は語った。

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