自己紹介します!

 東京郊外、埼玉との県境にある百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。


 このお店には、百合乙女な女子高生が10人ほど、メイド店員として在籍中だ。


 その中でも、常勤メイドとして、ほぼ毎日アルバイトしているのが4人。


「ふふ、今日は皆で、自己紹介の練習しましょ。新しくお店に来てくださったお嬢様を、出迎えるつもりで♪」


「はーい♪」


 開店前の店内。


 バイトリーダーでもある金髪巨乳メイド、リズの提案に、少女達が返事。

 今日は百合メイド同士で、自己紹介してみることにした。


「まずは私からね。こほん……」


 せきばらいするリズ。名札を付けたたわわな乳が、揺れた。


「私はリズ=ノースフィールド、高校3年生。イギリスからの留学生で、こちらのお店には、住み込みで働かせて頂いてますわ」


 百合メイドでいちばんの先輩だけに、日本での暮らしも長く、日本語達者。

 ほどくと腰まである金髪を、くるくる縦ロールに巻いていて、ボリュームたっぷり。


 垂れ目ぎみな青い瞳はくりっと大きく、童顔ぎみで。

 英国人で18歳の女の子としては、かなり幼く見える……その、乳を除いては。


「えっと、皆さん、触りたがるけど……」


 Gカップなぷるんぷるんの巨乳を腕で隠して、じらいながら、


「や、優しく触ってくれるなら……いいわよ?」


「あ、いいんだ……」


 動き易く切り揃えたセミロングのメイド、由理ゆーりがツッコむ。


 他の2人、ロングヘアーの季紗きさと、ツインテールの美緒奈みおな、すかさず。


「でわ遠慮なく♪ えいっ♪」


「やぁん♪ 優しくって、言ったのにぃぃ♪ ……ちゅっ♪」


 リズの胸を揉みながら、百合キスが始まった。


 ※ ※ ※


「ふぁぁ……♪ いっぱい、揉まれちゃったぁ……♪」


 なんだか嬉しそうなリズさんを置いて、お次は。


「へへー、じゃあ次は、あたしの番だぜ!」


 赤毛にツインテール、黒いリボンのロリメイド、美緒奈。

 チャームポイントの八重歯をちらりと覗かせて、きゃるん♪とぶりっ子ポーズ。


「初めましてぇ、お嬢様っ♪ 南原みなはら美緒奈みおなでーす♪ 16歳の高校一年生だよっ♪ え、小学生に見える? それってぇ、美緒奈が天使みたいにロリ可愛いってこと? もー照れちゃうなぁ♪ 確かにあたし、宇宙でいちばん可愛いロリロリ天使だけどさー♪」


 めちゃくちゃ媚びてみてる。

 そんな美緒奈へ、由理。


「あんたは、普段通りにしてた方が、可愛いと思うけどなー」


「ふぉぉぉっ!? な、なにいきなり、口説こうとしてんのさー!?」


 照れて真っ赤になる美緒奈。

 ツンデレ可愛いロリメイドさん。


「どっちの美緒奈ちゃんも可愛いよ! ちゅぅー♪」


「んぷぅ♪ き、季紗姉ってばいきなりぃ♪」


 季紗に押し倒されて、キスされた。


 ※ ※ ※


「ふふ、私の番だね?」


 唇についた美緒奈の唾液をペロッと舌なめずりしながら、季紗が微笑む。


「私は、東宮ひがしみや季紗きさ、高校2年生だよ。由理とは学校もクラスも同じなの。つまり……」


 悪戯いたずらっぽくウインクして、


「つまり、由理は私の嫁♪」


「もうっ、黙りなさい」


 頬を染めてもじもじする由理へ、季紗はハァハァしながら。


「あ、セッ○スフレンドでもいいよ?」


「黙れエロ乙女ぇぇぇぇ!?」


 こういうこと言わなければなー、と、残念な気持ちにならざるをえない由理。


 季紗は、黙ってればすっごい美少女……亜麻色めいたさらさらロングヘアーに、長い睫毛まつげが星空色の瞳を縁取る……清純派アイドルみたいに可憐で、清楚な容姿なのだ。


「ほんと、頭の中ピンクでさえなければ……っ」


 ため息つく由理の前で、季紗は頬を染めて、


「ふふ、私のこと、もっと知りたい? じゃあ、私……脱ぎます♪」


 メイド服のタイに指を掛ける。まるっと脱ぐ気だ。


「わー!? な、なにするつもりよぉぉ!?」


「止めないで! 脱ぎたいの! 裸の私を見てほしいの! 産まれたままの私を知って欲しい……それが、最高の自己紹介だから♪」


 リズと美緒奈も慌てる。


「まずいわ美緒奈ちゃん! キスよ! 百合キスで季紗ちゃんを鎮めましょう!!」


「おっけーリズ姉! ……ちゅぅぅ♪ ちゅぷっ♪ ほら、季紗姉の大好きな百合キスだよ♪」


「んん♪ ちゅぷぅぅ♪ わぁい、百合キス大好きぃ。もっと、舌挿れてほしいな……♪」


 リズと美緒奈が交互に季紗へ唇を重ねる。

 落ち着きを取り戻す季紗を見て、由理は一言。


「なにこの、荒ぶる神様鎮めるみたいなのは?」


 ※ ※ ※


 そして最後に。

 セミロングのメイド、由理が。


「え、私もやるの?」


 うんうん、とうなずく3人の視線に、緊張しながら。


「……えっと、私は、西城さいじょう由理ゆーり。高校2年生で、その……ちょっと、訳有って家出中というか。リズさんといっしょに、ここに住み込ませてもらってます」


 ……自己紹介していると、だんだん、他の百合メイドの顔が近付いてくる。


「……キスする気でしょ?」


 由理は逃げ出した。


 しかし回り込まれた!


「ふふ、由理ちゃん? 女の子同士、お互いを理解するには百合キスよ?」


「そーだぜ由理? 百合キスしねー自己紹介とか、ないから!」


「あ、由理。私は……貝合わせでもいいよ♪」


「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇ!?」


 迫る唇、百合メイド達……。


「私は! ノンケだから!! ノンケだからねぇぇぇ!?」


 由理、魂の自己紹介は、みんなの百合キスで塞がれた。

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