第23話 クラウ・ソラス領

 クラウ・ソラス領。

 フィアたちが住むエクスカリバー領と隣接している領地で周りが海に囲われてこり漁業が盛んに行われているが交流が少ない事で有名であるが領主同士の付き合いでエクスカリバー領とはそれなりに仲が良い。

 お互いの王宮が領地の中心部ではないのは行き来がし易い為という噂があるほどだ。

 その真意は分からないがおかげでソウスケたちは領地に入って経った一日で王宮に到着できたのだが……。

「この度は急な来訪で申し訳ありません。ですが、どうしてもロッグ様のお耳に入れておきたい事があり……」

 代表として片膝をつき、フィアが話しかけるのは小学校四年生ほどの子供であり、このクラウ・ソラス領の領主。

「いい、いい。俺っちそういう堅っ苦しいの嫌いだから要件だけ言ってケロ〜」

 ウゼェ。

 類は友を呼ぶってか? 俺の領主のイメージは軽い奴という印象しかねえんだが。

「実はこの世界に危機が迫っているのです」

「危機? それってどんなのケロ?」

 ケロケロうっせえなこいつ。語尾にケロつけないと死ぬのかよ。まだ子供だからそのキャラ許されるかもしれねえけど。髪の毛が緑色だからってなんでカエルなんだよ。誰も求めてねえよそんなの。

「あ〜、でもお前口調堅いからな〜。そうだ、そこしかめっ面の変態が代わりに話せケロ」

「ふぁ⁉︎ お、俺っすか? いや、でも俺も詳しい事は知らなくて……」

 というかさりげなく変態と言ったか? この紳士的態度を常に意識している俺に。

 階段を登るときは常に上を向いてパンツを拝見しようとしたり、一目でスリーサイズを見極められるように修行している俺が変態なわけがない。

「知らん? お前そいつらの仲間じゃないの〜。もしかしてハブられてる?」

「違います。これは機密事項なので安全な場でないと話せないので今まで黙っていただけです」

 グサッとくる一言を否定してくれたのは嬉しいが安全な場ってあっちの王宮じゃあ駄目だったのか?

「へ〜そう。じゃあここは安全なのかケロ? もしかしたら裏切り者がいる可能性だってあるよ」

「その点はダイジョ〜ブ。この私が確認したからね。方法はシークレットだけど命をかけてもいいよ。ソウちゃんの」

「俺のかよ!」

 なんて理不尽。あ、でも美少女の為なら命をかけられますけどね。

「コントしてないで本題に入ってケロよ」

 俺はケロの活用法に驚いたが、フィアの口から述べられた一言には誰もが仰天した。

「はい。では単刀直入に言います。全ての聖剣がもうすぐ死にます」

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