第2話
高橋の笑い声が響く。
そして高橋は2階から下に向けて引き金を引く。
パァン、パァン!
続けて2発の弾丸が放たれた。
1発は石原の左足に当たり制服のズボンから血が滲み始めた。
「アハハハ!みんなさぁもっと楽しもうよ!銃なんて日本じゃそう簡単に手に入らない、アメリカなら手に入るけどね!」
あれは本当に高橋なのか?
普段のおとなしさからは想像できないほど狂気的な顔は恐怖を覚えた。体育館の隅に居た女子達は泣き続けている。誰も高橋の返答をする事はなかった。
少しすると石原は左足を抑えながら話し始めた。
「高橋、お前さっき言ったことと矛盾してねぇか…?ここを出ても殺したら犯罪者になるって言ってただろうが…」
高橋は体の力が抜けたように柵にもたれ掛かる。
「あー…石原君は知らないよねぇ。僕のパパは警察所長なんだよ!僕の言ったことならなんでも信じてくれる。だからここを出ても絶対に捕まらない!まぁ君みたいな金髪のヤンキーみたいな見た目じゃあ誰に言っても信じてもらえないかもねぇ?アハハハ!そして僕は普段から狙撃の練習をしてるんだよ!みんな僕に従うしかないよねぇ!」
俺はこの状況をただ見ているしかなかった
捕まるとか捕まらないとかそんなことよりただここから逃げ出したいそう思っていた。
その時、
パァン!
「え…?」
さっきまで笑っていた高橋は微かな声と共にその場に倒れた。
「アハ…アハハハ…不意打ちなんて卑怯だよ…」
密かに2階に登り不意打ちを仕掛けたのはメルだった。
そうさっきまで泣いていたメルがなぜ。
「アハアハうるせぇんだよ、いつも教室の隅にいる陰キャのくせにさぁ!」
それはいつも俺に見せる蔑んだ目。
俺をいじめている女がそこには立っていた。
そしてまた思い出した。あの日の動画を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます