第7回 ナターシャとエルフ女子

 あなたのハートに転移魔法テレポート

 会いたくて会いたくて震えてるなら、いっそ会いに行っちゃおう! 魔法で彼の家まで飛んでいこう!


 って思ってるみなさん、それストーカーかもしれませんよ?

 どうも、純愛と重い愛を履き違えがちな貴女に今日もお説教! ナターシャです!


 今回のタイトルコール、読み返すとなんか恋の伝道師っぽいですけど、正直私ごときより『fan-fan』読者のみなさんの方が、よっぽどその道に精通してると思うんですけどね。偉そうなこと言ってすみません! あ、“精通”って言っても保健体育的な意味じゃないですよ?


 こんな風に恋愛に疎く、隙あらば下ネタぶっこんでくる僧侶なんですけど、『fan-fan』的にはどこに需要があるんですかね……。

 どっちかと言うと、『週刊センテンスプリング』や『週刊SFA!』の巻末コラムコーナーの方が、よほどお似合いのような気がしております。


 大丈夫かな? 来週あたりで打ち切りとかそんなことないよね?

 原稿料をあてにして、前から欲しかった北方家具ローンで買っちゃったんだけど?


 というわけで、今回は連載が打ち切られないためにも、『fan-fan』っぽい話!


 オシャレや流行についてですね、取り上げてみたいと思います!

 火傷する予感しかないんですが、編集さんに「風俗とかヅラとか言ってないで女子力アゲてもらえます?」って言われちゃいましたからね。ちょっくらアゲアゲで行ってみたいと思います。

 無い袖振っていくぜー!


 女子力と言えばやはり、(私と違って)大人気のコラム連載『エルフポップユニット・カシュウナッツの“やっぱり豆がスキ♪”』ではないでしょうか。

 実は私も自分が連載する前から、この連載コラムと半年に1回のセックス特集号だけは欠かさず読んでました。立ち読みでしたけど。


 超可愛いクオーターエルフさん3人が、ファッションとか音楽とか美味しいご飯とかについてのんびり語る。それも、ちょっぴり西エルフ訛りがあるところがまた可愛い! 尊い!

 まさに紙の上の女子会! 女子力の暴力!

 しかも何が尊いって、3人ともエルフなのに全然気取ってないんですよね。実際超美人さんなのに、良い意味で高嶺の花感がない。親しみやすいんです。お人柄ですね。


 そんな彼女たちの影響も多大にあると思うのですが、昨年頃からの流行スタイルとして外せなくなっているのが、そう、“エルフ女子”です。

 もちろん『fan-fan』読者のみなさんは知っていると思いますが、一応説明しておくと、本物の女性エルフのことではなくて、エルフ風のファッションやメイクをする人間をはじめとした他種族の女の子のこと。


 実際『fan-fan』はじめ女性ファッション誌でも、エルフ特集が流行ってますよね。

「エルフに学ぶ、愛され女子のヒミツ」とか、「小顔に変身! エルフメイク」とか、「ゆるふわ清楚 エルフコーデ」とか……。


 確かにエルフはお顔もちっちゃいし、肌は透き通るように綺麗だし、髪サラサラだし、いい匂いするし、男性だけでなく女性から見ても憧れです。

 ちょっぴり真面目な話をすると、争いが終わって数年経って、異種族間の交流が盛んになってきたことが大きいんでしょうね。と言っても、ハーフエルフやクオーターエルフならまだしも、純血エルフを見かけることはほとんどないわけですが。

 まあ、だからこそ気兼ねなくファッションとして取り入れられる側面もあるのか、街を歩いていても、エルフメイクやエルフファッションの女の子、よく見かけますよね。



 しかし。――私はちゃんと言いたい。



 みんなあんまり口にしないけど、エルフ女子はホントに可愛い子がやらないとかなり厳しいということを!!!!!


 あれ、コスプレみたいなもんですからね?


 サラサラ~の亜麻色ストレートにして、白でまとめた羽衣みたいな薄手の服を着て、耳尖らせてナチュラルメイク。

 絶対、顔もスタイルも良くないと許されないですよ。ブサイクが耳尖らせても、「おや? ホブゴブリンかな?」ってなるだけですからね?


 少なくとも私には無理だ……あんな“童貞を殺す種族”みたいなラブリーさ、身にまとえない……。


 エルフ女子を目指す女の子は、一度本物の純血エルフの横に並んでみたらいいんです。そうしたら、二度と女性ファッション誌の妄言に踊らされることはなくなるでしょう。


 何故、こうまでして私ごときが偉そうにエルフ女子に警鐘を鳴らしているのかというと、冒険中に一度行ったことがあるんですよ、エルフの国。入国審査にかなりのレアアイテムがいるんですけど、旅の途中で運良く立ち寄ることができたんです。


 そこでね、モノホンの純血エルフの美しさに打ちのめされたんですよ。

 右を向いても左を向いてもエルフ。

 西も東もエルフ。

 幼女も老婆もエルフ。


 もうね、美しい。美しいという言葉がゲシュタルト崩壊ですよ。

 エルフの国自体はとても面白かったのですが、正直女としての自信は砕け散りました。


 もちろんハーフエルフやクオーターエルフも、我々人間種族から見たらめちゃくちゃ可愛くて、合コンに参加しようものなら男性陣軒並みひゃっほいなわけですが、もう、純血エルフはさらにレベルが違う。マジで妖精。

 合コンに参加しようものなら、その店にいる女性が全員「すみません許してください」って泣いてこうべを垂れるレベル。


 だからね、老婆心と思いつつナターシャは世のエルフ女子にリアルエルフの美しさを伝えたいのですよ! 本物の女子力の権化と対峙し、命からがら生還した者として、あの凶器のような美を!

 どんなに頑張っても勝てんぞ、と! 種族の壁は越えられんぞ、と!


 もちろんファッションなので好きな格好をしたらいいんですが、エルフ女子だけはね、身の丈を知れと言うか……あ、ダメだ、この言い方炎上するやつですね、えーと、エルフ女子だけはね、うん、モヤモヤがあったので! モヤモヤがあったので、ちょっとつついてみました!

「喪女僧侶が何言ってんだ」ってのは百も承知なので、炎上させないでくださいね!


 フォローしておくと、エルフ女子で可愛い子もちゃんといるんですよ。

 でも、そういう子は元が可愛かったり、仮にそこまで素材に優れていなくても、バランスを考えて取り入れてたりするんですよね。服とメイクは参考にするけど、耳を尖らせるところまではしない、とかね。


 エルフ女子を目指す場合は、その辺が大事なんじゃないですかね。例えば身近にハーフエルフやクオーターエルフの女の子がいるなら、彼女たちの意見を聞いて、やり過ぎにならないラインを見極めるとか……。


 お、なんか最後の最後で『fan-fan』っぽい話になってない?


 そうだ、エルフの国については詳しく書きたいので、次回はその話をしますね!

 じゃあまた来週! ナターシャでした!

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