第19話冒険者登録

 オレたち四人は晴天の日に冒険者ギルドに来ている。

 今後の予定がないということだったから冒険者になってみることにした。


「今回はどのようなご用件でしょうか?」


「冒険者登録したいんですけど」


 オレは受付の女性に言う、受付の女性は後ろの戸棚から紙と半透明な石を取り出してカウンターに置く。


「ではこちらの紙に必要事項をご記入ください

 また犯罪経歴を調べさせていただきます。

 重犯罪経歴がありましたらご登録できませんのでご了承下さい」


 受付の女性はあらかじめ頭を下げていた。


「え? ちょっと待ってください」


「あっはい。かしこまりました」


 オレは受付の女性から少し距離をとる、犯罪経歴ってミラ大丈夫だよな? ………でも昔いろいろと凄かったらしいしなどうなんだろう?。

 オレはミラの方へ向く、後ろにいるミラを見るとミラは鳴らない口笛を吹いていた。

 おいおい!大丈夫だよな?………逃げる準備しておくか。

 まぁーいざとなったらミラの転移で逃げられるから大丈夫か………よし! やるか!!!

 オレたち四人は受付に戻っていく。


「じゃーお願いします」


「かしこまりました。ではこちらのマジックアイテムに手を置いてください

 犯罪の重さによって色が変わる仕組みです

 軽犯罪なら黄色に

 犯罪なら赤

 重犯罪だったら黒に変わります」


 オレは受付の女性の指示通りに半透明の石の上に手を置く、石はうっすらと光り、光の糸が伸びる、光の糸はゆっくりと伸び額にあたる。

 光の糸はオレを探るように何度も額に触れる、糸の色は徐々に色が変わり黄色になる。


「どうやら大丈夫なようですね。意外と綺麗な人生を送っているのですね

 えっとぉー、イタズラ、ゴミのポイ捨て、暴言、などですね」


 えっちょっと待ってくれ! 犯罪経歴って明かされるの!!……それにオレってゴミのポイ捨てしたのか? 覚えてないな。

 暴言に至っては否定出来ない………。


「では次の方どうぞ!」


 アイリス以外の二人は冷や汗を流している、おいおい!大丈夫かよ? 一番平静のアイリスだな。


「次はアイリスにするか」


 アイリスなら大丈夫だろう! そんなに悪い奴には見えないし オレはアイリスのことを信用してるしな。


「は、はい」


 アイリスはオレと同様石の上に手を置く、光の糸がゆっくりと伸びアイリスの額に触れる。

 光の糸は数回色が変わりかけたが最初の色になって止まった。


「大丈夫みたいですね。では次の方どうぞ」


 さぁー次はミラの番かな! オレは振り返りミラの方へ向く。

 ミラは脂汗を額に浮かべ目をそらす。


「妾は最後でいいのじゃ」


「知らん! 早くやれ」


 ミラは渋々石に近付き恐る恐る石の上にバルムンクから貰った指輪をつけている方の手を唾を飲みながら置く。

 石から伸びる光の糸はすぐに黄色に変わり赤へそして黒に変わる………だがバルムンクから貰った指輪が一瞬光り石から伸びる光の糸の色が変わり元の色へと変わる。

 どうやらバルムンクの指輪はこの装置にも有効なようだ。


「ほら! 大丈夫だろう!? 私は犯罪などしていない」


 ミラは両手を腰に当てて威張っている姿はなんとも可愛らしかった、なんか急にミラが元気になっているし。

 犯罪をしてなかったら黒に変わったりしないだろう、昔何かヤバイことやっていたのは確定だな。


「大丈夫でしたね。では最後の方どうぞ」


 受付の女性はリーズを見て言う、リーズはオレに促されるわけではなく自分から装置の前に行く。

 どうやらリーズも指輪の機能がこの装置に有効だと気付いたようだ。

 ミラと同様バルムンクから貰った指輪をはめている手を石の上に置く。

 ミラと全く同じことが起きる、リーズもミラと同じくらいにヤバイことをしているのか!! 意外だな。


「全員、大丈夫だったみたいですね。ではランクのご説明をしますね

 等ギルドではランクというものがあります!

 F~SSまでの8段階あります。まずはランクを決めましょうか!」


 受付の女性は奥の方から先程とは違う色の半透明の石を取り出す

 その石をカウンターに置く。


「こちらは力量を計るマジックアイテムです

 先程と同様な使用方法です。どうぞ」


 オレは少しワクワクしながら手を置く、半透明な石はうっすらと文字を浮かべる。

 なんとなくだがオレにも理解できる文字だった、見たこともない文字なはずなのになんとなくとはいえ文字が分かるなんてどういう原理なんだろう? ………う~ん分からん。


「え!! いきなりBランクですか!」


 受付の女性は何度も石を見て確めている、だが石に表示された文字が変わることはない。

 オレは石の上から手をおろしアイリスにやらせてみる、結果はCだった。オレの一つしたのランクになったようだ。


「では次の方どうぞ!」


 ミラの番だな、ミラは強いらしいからどうなるかな? ミラはそっと石の上に手を置く、徐々にうっすらと文字が現れ始める。

 現れた文字はSランクだった。


「えぇーこんな可愛い子がSランクですか!!?」


 受付の女性は身を乗り出して石を見ている

 そのあとにリーズがやってみるが結果はAランクだった!

 どうやらみんなバラバラのランクになってしまった


「期待の新人ですね。これがギルドカードになります。再発行はできますが有料となっております

 このカードなあれば様々な場所でサービスが受けられるのでお試しください」


 受付の女性はそれぞれにギルドカードを渡していく、みんなそれぞれ色が色が違った。

 どうやらランクによって色が変わるシステムのようだ。

 少し気になって受付の女性に配色はどうなっているか聞いてみた。


 SSランク 半透明の黒

 Sランク 半透明の白

 Aランク 金色

 Bランク 銀色

 Cランク 銅色

 Dランク 赤

 Eランク 緑

 Fランク 青


 という具合に配色が決まっているみたいだ。


「では最後にクエスト受注、発行についてご説明をしますね

 最初にクエストボードから受けたいクエストの紙を探しこちらに持っていただければ完了です

 あとは紙に書いてあることをやればOKです

 自分より一つ上のクエストまで受けることができます。

 また下のランクのクエストなら全部受けることができます

 また3ヶ月間依頼を達成してないとギルドカード破棄になります」


 受付の女性は矢継ぎ早に説明したから半分理解出来なかった、まぁーとりあえずクエストをやればいいということだろう。

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