第13話新しい武器
ミノタウロスとの戦闘で疲れていたのかオレは起きていることすら困難だった。
ダンジョンの中で交代で休息をとる提案をし、オレは睡魔に耐えることが出来ず先に寝てしまった。
アイリスはオレが疲れていると気遣い9時間も寝かせてくれた、アイリスに起こされる。
目が覚めるとアイリスは目の下に隈ができ眠たそうに目を擦っている、オレはアイリスをすぐに寝かせた。
気を使ってくれるのは嬉しいが罪悪感が半端ない、アイリスは自分の尻尾を抱きながら幸せそうに寝ていた、それはもう反則的な可愛さだ、一生抱きしめながら眠りたいと思ってしまった。
「オレを気遣い9時間も寝かせてくれたて
自分もかなり疲れているのに先に寝かせてくれて
限界まで起きてオレを寝かせてくれる、
なんて優しい子なんだ。」
まるで天使のような女の子じゃないか、リーズをキレイと言うならアイリスは可愛いと言えるだろう、ミラは妹みたいな可愛さだ。
あれ? よく考えたらオレのまわりって女の子ばっかりじゃ?
これってハーレム?
《ギジャーー》
オレ達のいる部屋に繋がる通路からレッサースケルトンが2匹がメイスとナイフを掲げながら威嚇してくる、アイリスを守る為に武器を構える。
オレはレッサースケルトンをできるだけ音をたてずに殺す、いつも以上に冷静に対処し、攻撃を完璧に避け、最短時間で無力化する。
オレは2匹を骨を壁際に寄せて置き、部屋に繋がる入り口に立ち殺気凶悪化の能力を使い、近くにいるであろう魔物達を追い払う。
オレを見たフールピックは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おはようございます。リクトさん」
アイリスは自然と起きてきた。
「ん? おはよう。アイリスまだそんなに寝ていないから寝ていていいぞ」
「私はどれくらい寝ていたのですか?」
アイリスはあくびをしながら言う、耳と尻尾はピンッと伸びピクピクしている。
いちいち動作が可愛いなーーじゃない。
「そうだな、4時間くらいだな」
「え? それしか寝てないんですか? でも体の疲れはなくなりましたからもう寝なくていいですよ、次の階層に進みましょう」
実際は六時間寝ていたがもう少しだけ寝顔を見ていたいから嘘をついてしまった。
まぁー言わなければバレないだろう。
「そ、そうか? もう少し寝ていていいんだぞ」
「いえ大丈夫です。安心して眠ることができたので疲れはなくなりました。リクトさんに守ってもらってると思うと安心できましたありがとうございます」
アイリスは少し恥ずかしそうに笑いながら言う。
「そ、それは良かった」
オレは恥ずかしくなり顔を背けながら言った。
よく、そんな恥ずかしいことを言えるな………嬉しいけど。
「よし、次の階層に行くか!!」
「はい! ですがあのミノタウロスの素材はどうするのですか?」
オレは階段へと足を進めるとき、アイリスはオレの服の裾を掴みミノタウロスの死体を指差しながら聞いてくる。
「素材? 角なら取ってあるぞ」
「角以外にも、皮は防具に、肉は食料に、臓器は薬になります。
全部売るとそこそこの値段になりますよ」
アイリスは小さな指を折りながら一つ一つ確認しながら言っていく。
ミノタウロスってそんなに素材があったのか!!
「え? そうなのか?」
角しか興味なかったから見落としていた、それもそうかあの頑丈な皮ならいい防具になりそうだ。
火炎魔法耐性、打撃耐性、切断耐性、恐怖耐性、精神攻撃耐性という具合に耐性のオンパレードだ。
「はい、ミノタウロスは力が強いので倒すこと自体困難を極めますから素材は高く売れます」
「解体するか!!!」
オレはアイリスの指示のもとミノタウロスを解体していった
小さな魔物の解体くらいなら平気だったが大きな魔物の解体はかなりグロかった、何度か吐いてしまった。
人間ぐらいの大きさになるとグロさが何倍にもはね上がった。
「リクトさんはこういうことが苦手なんですか?」
「いや、小さいのなら平気なんだか、この大きさになるとな」
「大きさですか? 中身は変わらないのですから違いはないと思いますけどね」
アイリスはなんてこともないように言うがかなり違う、小さい魔物だと小さな臓器は見ないようにすればなんとかなったが大きくなると嫌でも目に入ってくる。
「オレは苦手だな、うんダメだ」
「そうですか、では次からは私がやりますね」
「ゴメン、助かる」
オレはミノタウロスの臓物を思いだしまた吐きそうになってしまう、血はなんとか慣れたが臓物は慣れるとは思えない。
「終わりましたよ」
そこには原型をとどめてない肉があった、皮は剥がれ、肉は切り刻まれ、臓器はまばらに取り除かれていた。
「そ、そうか。じゃー次の階層に行くか」
「はい! ミノタウロスの素材はまとめて私が持ちますね」
奥には皮にまとめられた素材たちがある
ミノタウロス一体からとれる素材って思ったより少なかった
大きさは大きめのレジ袋くらいだ
「いや、オレが持つよ、重いだろ」
「少し重いですが持てますよ」
「いやオレが持つからアイリスは魔物の位置を確認してくれ」
オレはミノタウロスの素材を持ち上げ歩く、下へ行こうと階段を降りていくと途中で宝箱を見つけた。
「アイリス! あれってなに?」
「あれはダンジョンに発生する宝箱ですね。どうして発生するかはいまだに謎ですが」
「あれが魔物だったりしない?」
ひ○くい箱とかパンドラボッ○スみたいなやつなら開けない方がいい。
「確かにその可能性はありますが、気配察知では魔物ではありませんでした」
「そうか、じゃー開けるか」
オレは恐る恐る宝箱を開ける、、、、、中に入っていた物は1本のナイフと片手用の斧、指輪が二つが入っていた
「こ、これはダグリュース鉱の武器じゃないですか!!」
「それって凄いの?」
「はい、世界で3番目に硬い金属です、買うってなったらかなり高いです。それにダグリュース鉱は必ず特殊効果が備わっています」
「マジか!」
すぐさまオレは魔眼を使い武器の性能をを確かめる。
《物体名 デモンリッパー
素材名、ダグリュース鉱石、リザードマンの牙、レッドシャークの皮
特殊効果、込める魔力の量で切れ味が変化する、また悪魔に与えるダメージが少し上がる》
《物体名 ザナグールアックス
素材名、ザナグールの骨、爪、牙、毒袋
特殊効果、傷をつけた相手に毒、麻痺を付与する》
《物体名 魔道師の指輪
素材、ダグリュース鉱石、魔力砂
特殊効果、消費する魔力を軽減する》
《物体名 戦士の指輪
素材、魔鉱、サイクロプスの骨
特殊効果、物理攻撃力が上がる》
《物体名 マジックバッグ
素材、魔法の布
特殊効果、いろいろな物をたくさんいれることができる
(最大容量は1000キロまで)》
ん? マジックバッグ? そんな物入っていたか?
よく見ると底に布が敷いてあったがそれがマジックバッグらしい。
「凄いな! 性能が凄くいいぞ」
「それはそうでしょうダグリュース鉱ですもん」
アイリスは宝箱の中を見ながら言っている、尻尾を振り、目をキラキラさせている、オレは宝箱の底からマジックバッグを取り出しアイリスに見せる。
「それもそうだが、これ! マジックバッグだ」
「え、それがマジックバッグなんですか? 小汚ない袋にしか見えないですけど?」
オレはマジックバッグにミノタウロスの素材をマジックバッグに収納した、持ってもミノタウロスの素材の重さを全く感じなかった。
「えっ!? 本物ですか!! 初めて見ました」
アイリスはマジックバッグをまじまじと見ながら言う。
「よし次の階層に降りるか」
「そ、そうですね」
アイリスにザナグールアックス、戦士の指輪を渡し装備させる。
オレはデモンリッパー、魔道師の指輪を装備する。
オレとアイリスは慎重に階段をくだっていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます