第11話強敵
アイリスとオレは、よくわからないダンジョンに送られた、白髪の少女、ミラによって。
じめじめとした環境、ホコリっぽい空気、よくわからない悪質な魔物、その全てがリクト達の気分を害する。
「アイリス。この階層の魔物はオレが倒しても全然レベルが上がらない! だからアイリスが主に戦った方がいいんじゃないか?」
「こ、怖い…です。………けど、リクトさんに少しでも近づけるように頑張ります!」
アイリスは両手を握り締め気合いを入れていた、小さな肩が微かに震え、幼げで可愛らしさも兼ね備えているアイリスの顔が恐怖に染まる。
「無理はするなよ。怪我しそうになったら助けるから安心しろ」
「あ、それなら頑張れそうです」
アイリスは安心したのか震えがおさまっていた、顔からは恐怖の色は無くなる。
「アイリス。また魔物に案内してくれ」
「はい! わかりました。こっちです」
アイリスが鼻をひくひくさせて右の通路を指差し言う、早く来てくれと言わんばがりに手招きをしてる、可愛いな。
あの尻尾と耳を思う存分モフモフしたい、だがやったらミラに怒られそうだ。
あれ? 今ならミラもいないし怒られないんじゃ、あっでもアイリスが嫌がりそうだ。
尻尾と耳は敏感な部分だし、嫌がるだろうな………やめとくか。
オレは黙ってアイリスの向かう方向に歩いていった。
アイリスの案内の元たどり着いた先にいた魔物はレッサースケルトンが3体にフールピッグ1体がいた。
任せると言ったものの、この4体を1人で相手するのはオレでもキツイ、ましてやステイタス的に劣るアイリスが4体を相手にするなど無謀と言えるだろう。
「アイリス4体いるが何体なら大丈夫だ?」
「フールピック1体とスケルトン1体ならいけます」
アイリスはメイスを握り締め気合いを入れてた、アイリスの耳は気合いを入れると同時にピクピクしている。
「わかった!ファイヤーボール」
レッサースケルトンに向けてファイヤーボールを放ち先制攻撃でスケルトンの1体を魔法によって倒す、火炎脆弱のバッドスキルの効果のせいか一撃で死ぬ。
3体の魔物は仲間がいきなり死んだことに焦り、怒った、混乱した、魔物達は怒り狂い走って魔法が向かってきた方向へと走る、先頭はフールピックだ。
レッサースケルトンの動きは非常に遅く、鈍いはずのフールピッグにすら負けていた。
「アイリス!先頭のフールピックは任せる後ろの2体は足止めしとく」
「わかりました」
アイリスはメイスを構え、フールピックの突進に備える。
「ファイヤーボール」
2番目に走ってくるレッサースケルトンに命中する、最初の個体同様一撃で死ぬ。
フールピックはアイリスに突進する、そんな突進をアイリスは危なげもなく左に避ける。
渾身の突進を避けられたフールピックは勢いを殺しきれず壁に激突し、隙ができる。
アイリスはその隙を見逃さすフールピックへと素早く近付き、頭にメイスを降り下ろす。
鈍い音と共にフールピックは動かなくなる。
一番後ろから走っていたレッサースケルトンは怒りで我を忘れオレに殴りかかってくる、リクトはレッサースケルトンの手を魔物から奪っておいたメイスで砕き後ろに回り込んだ。
そのまま新しい能力ドレインタッチを使ってみた、暴れられないようにレッサースケルトンの体を拘束する。
ドレインタッチを使うとオレの手は青白く光りレッサースケルトンのHP、MPを吸い上げ始める。
かなりエグいスキルだな。だがMP回復手段を確保できて良かった、ギリギリまで吸い、放す。
レッサースケルトンはフラフラと歩きアイリスに向かう、意識もはっきりしておらず襲う意識もあるか分からないぐらいにフラフラとしていた。
アイリスはフラフラしているレッサースケルトンの頭部をメイスで殴打した、レッサースケルトンは残り少ないHPが一瞬にしてなくなり死んだ。
「うん、いい調子だな。ステイタスも上がってる分、楽に倒せるようになったな」
「はい! これもリクトさんが救って頂けたお陰です」
うーん?救うってなんだ?
それにアイリスが強くなったのはアイリスの努力だろ、何でもオレか? まぁーいいや。
「あの! リクトさん、お願いがあります」
アイリスはオレの近くまで来て上目使いで言う、そんなこと可愛い顔で上目使いは反則だろ。
レッドカードだせよ審判!! あっ審判ミラいねぇー。
でもお願いとはなんだろう、無理なこと以外からできるだけ聞こう。
「あの! お風呂に入りたいです」
風呂か………正直オレも入りたい、だけど風呂に入るということは武器、防具などを外し無防備になってしまう。
でも、風呂に入るという、日本人特有の誘惑には勝てなかった。
「オレも入りたい、水を外そう」
「あ、ありがとうございます。水ならこっちです」
アイリスはこっちです、と言いながらオレの手を握り引っ張る、こんな美少女と手を繋ぐ時がくるとは思っていなかった。
一時間位歩くと不思議な場所に部屋みたいな空間があり、半径5メートルくらいありそうな大きな湖だ。
綺麗な水で底が見えていた、魚達は優雅に泳いでいるが1匹だけ大きく強そうな魔物がいた。
見た目は普通のサメと変わらないのだが1つだけ異なる点があった、それは牙が異常な程に発達しているところだ。
「アイリス! ここはやばくないか? あそこの魔物見えるか?」
「はい! あれは少しヤバイですね。でも近くにはここしかないし.....。」
アイリスはせっかく見つけた湖が諦めきれないようだ、助けてやりたいが、どれ程強いか分からない。
「一応アイツに魔眼を使い強さを見てみるが期待はするなよ」
オレは湖のサメに向かって魔眼を発動した、発動と同時に目から情報がなだれ込んでくる。
《個体名:レッサーグレイスシャーク
魔物ランク、E~D
注意点、水中戦だと強さが倍増する。逆に陸にあげてしまうと戦闘力は著しく下がる》
水中戦は避けた方がいいがどうやって外に出そうと、オレは1人で考え込んでいた。
アイリスはオレのことを不安げに見つめていた。
「どうしました、倒せそうですか?」
「水中から出したら勝てると思うけど。どうしよう」
オレは腕を組みながらレッサーグレイスシャークを見た、ゆったりと泳ぐ姿は、まるでこちらを挑発してるようだ。
う~ん.....やりたくはないがやっぱりあれか? 囮か、オレがやるのが一番手っ取り早いだろう。
アイリスよりステイタスが高いし危険度は少ないだろう、だが怖いな。
だけどここで怖いなんて言ったらアイリスに軽蔑されそうだ。
「では私が囮となるので、水面に近づいたら仕留めてください」
オレが怖いと思い散々悩んだのにアイリスは当たり前のように言う、オレはアイリスの勇気に驚いた、男の俺より勇気があるなんて格好いいな、ここで女の子を囮に使うようなクズには成り下がりたくない。
「いやオレが囮になろう、ステイタス的にもオレの方が適任だろう、それにオレは回復魔法もある。」
「そうですが私の我が儘なんですから私が」
アイリスは驚きつつも私が行くと言い出した、だがここでアイリスを行かせてしまうのはオレが許せないし情けない。
「まぁー大丈夫だ。待ってろ」
オレはそう言うとアイリスの静止を無視し湖に飛び込んだ、湖に入るとレッサーグレイスシャークがリクトに気付き食らおうと大きな牙のある口を大きく開けて向かってくる。
オレはレッサーグレイスシャークにステイタス閲覧、能力閲覧を使い力を見る、能力を見て作戦を立てる。
《ステイタス平均値 150
獲得可能能力 雷脆弱、打撃耐性、水流操作、水中呼吸、水中強化、陸地脆弱》
ステイタス平均値が150ってことはアイリスより少し高いくらいだが水中強化の能力で2倍になっていると考えるとオレと同じかそれ以上だ。
仮に水中強化の能力をコピーしたらステイタス的には余裕で勝てる………だろうが、水中で戦ったことのないオレがコピーしても意味はないだろう。
それに水中戦限定って言うのが微妙だ、水中で戦う機会なんて滅多にない、コピーすべき能力は水流操作だろう。
これがどんな能力かは名前で大体想像できる、持っているだけで色々な応用が使えそうなスキルだ。
リクトは水流操作の能力をコピーした、オレはいったん水面に顔を出し息を吸い込む。
「無理はしないでください」
息を吸うと同時にアイリスの声が聞こえる、愛らしくも可愛らしい声がリクトのやる気を引き出す………よし、頑張ろう。
レッサーグレイスシャークはオレをエサとしか認識していないようだ、近付くと同時に大きな口を開けて襲ってくる。
オレは水流操作を使い体を横に流し避ける、すかさず水流操作でレッサーグレイスシャークの下にまわり込む、レッサーグレイスシャークはエサリクトが消えたことに動揺している。
探しているのか動きまわっている動き合わせて水流操作で下に張り付く。
レッサーグレイスシャークはオレがいなくなったことに動揺し、怒り、標的をアイリスに変えた
レッサーグレイスシャークは水面に近付きアイリスに牙を向ける
アイリスはいきなりのことで油断していたのか回避できそうもない、オレは水流操作の能力でレッサーグレイスシャークの方向を強制的変えアイリスから離した。
レッサーグレイスシャークがアイリスの近くまで移動したお陰で足が湖の底についた。
オレは湖の底に足をつけ力任せにレッサーグレイスシャークの体を持ち上げる、水中では抵抗したが水中から出ると抵抗力は著しく下がった。
オレはレッサーグレイスシャークを持ち上げたまま水面から出て陸地に無造作に投げた。
疲れたからレッサーグレイスシャークにドレインタッチを使いMP、HPを回復した。
レッサーグレイスシャークはどんどん弱り次第に動かなくなったが生きてはいる。
「アイリスが倒してくれ。レベルが上がるだろう」
「わかりました。」
アイリスはメイスで殴打する。
集中的に頭を狙い確実に仕留めるつもりらしい、数回攻撃すると動かなくなる。
「今回はうまく、行きましたけど確証がないときは動かないでください。心配でどうにかなるかと思いました」
「は、はい」
アイリスはメイスを片手にオレに怒ってきた、一応心配してくれているのは分かるが迫力がすごい。
「でも無事で良かったです」
アイリスは、ほっと息を吐き出し、大きな胸に手を当てて安心する。
レッサーグレイスシャークを倒してレベルが上がっているだろう
アイリスに能力、ステイタス閲覧の能力でアイリスのステイタスを見てみる。
名 アイリス
称号 リクトの奴隷
レベル 14→23
HP 211→296
MP 53→134
ATK 157(+35)→186(+35)
DEF 82→129
INT 96→142
RES 123→161
HIT 116→151
SPD 168→183
《物体名:能力確認カード、解読結果
個体名:アイリス
種族:獣人(狐)
種族能力:超聴覚 C 超嗅覚 C 脚力強化 D
個体能力:気配察知(魔物、魔族、人間などの気配を察知する
また、特定の人物の気配を探し出すとこも可能)》
「アイリスレベルが9も上がっているぞ!!ステイタスも上がってるぞ。良かったな」
「えっ! 9もですか!? リクトさんといると成長が早いですね、驚かされることばかりです」
アイリスのステイタスは上がってるならオレのステイタスはどうなったかな。
オレは自分に能力、ステイタス閲覧の能力を使う。
名 ミヤマ リクト
称号 魔眼保持者
レベル 24→27
HP 584→623
MP 961→1006
ATK 342(+20)→369(+40)
DEF 269(+30)→293(+30)
INT 291→315
RES 306→331
HIT 291→316
SPD 402(+10)→429(+10)
《物体名:能力確認カード、解読結果
個体名:三山 利久人
種族:ハーフヴァンパイア
種族能力:恐怖支配 D 殺気凶悪化 C
身体能力増加 D 憎悪倍加 C
個体能力:斬撃耐性 E 打撃耐性 D
短刀術 D 切断耐性 D
ステイタス閲覧 (相手のステイタス又は自分のステイタスを見ることができる。またステイタスに差がありすぎる場合は見ることができない)
能力閲覧 (相手の能力又は自分の能力を見ることができる。またステイタスに差がありすぎる場合は見ることができない)
行使可能魔法
初級 火炎魔法(ファイヤーボール、火種生成など)
中級 回復魔法(傷の治療、毒の治療)
所持魔眼:魔眼名リーディングアイ
効果、視認した物質の名称、事柄を読み取る、魔法の本質を見抜き、解読、理解
上位能力:理解者
理解した物体、魔物の特徴やスキルをコピーすることができる(一つの物体からは一つだけ、魔物のスキルも同様で一つだけ)
獲得能力 水流操作(水流を操作することができる)
ドレインタッチ(アンデット特有の能力。生者からHPとMPを吸収できる、レベルに差があるとできない場合がある)》
オレのレベルは3しか上がっていなかった、弱い魔物ばかり倒してもレベルは上がらないようだ。
だがまだ余裕だからアイリスのレベル上げを中心にしていこう、じゃないと次の階層でアイリスが危険になる。
MP回復手段とあるし、なかなか強くなってきたな、あとはステイタスだなと考えているとアイリスは恥ずかしそうに言った。
「では私は水浴びをしますね」
「わかった。ならオレは入り口付近で見張りをしてるから何かあったら呼んでくれ」
オレはそう言い入り口付近に移動し少しだけ距離をとり、座る
周りには魔物の気配はない。
もちろん覗きたいと思うがここで覗いてしまうと軽蔑されるだろう絶対に! 今後のことを考えると悪い印象は与えたくない。
というかオレにそんな勇気はない。
「あのーリクトさん? いますか?」
アイリスの不安げな声が聞こえた、裸になり武器も装備していない状態だ今襲われたら命が危ない、となると不安になるのも頷ける。
「いるぞ! ゆっくりで大丈夫だからなぁー」
オレはアイリスの不安を取り除く為、大きな声を出す、アイリスは安心したのか水浴びを続行した、音で判断しただけだから覗いてないから。
数分後水浴びの音はなくなり布が擦れ会う音が響きだす。
やめて!!! こんなん生殺し状態じゃん。
「もう終わりました。リクトさんは入らないんですか?」
「あぁ、さっきたくさん入ったからな」
オレの服は濡れている、乾かしたいが真っ裸になり乾かす訳にもいかない。
アイリスがオレの体見ると思うと恥ずかしくて死ねる自信がある、筋肉もない細い体など見せるに値しない。
「そ、そうですね。服は次第に乾くと思いますけど風邪ひくと悪いですから脱いで乾かしましょう」
「い、いいや。さすがに裸は恥ずかしいからな」
アイリスはうつ向き両手を頬に当ててモジモジしてる。
オレの貧相な体を想像してそんなに面白いか。
ショックだ、確かに貧相な体だがこんなに面白がられるか。
「次の階段を探すか」
オレはアイリスを連れて通路で適当に歩き回る。
途中でレッサースケルトンやフールピックが襲ってきたがミラは簡単に対処するとこができた。
「リクトさんって男が好きなんですか?」
アイリスはいきなりとんでもないこと平然と言い出した。
「な、な、なんだ!! いきなり?」
「いやぁーだってリクトさん私の水浴び覗かなかったじゃないですか。普通の男なら覗きます、覚悟してたんですよ」
水浴びを覗かなかったから男が好きとかどんな考え方だよ、紳士なオレに失礼だろ。
いや見たいとは思ったけどしょうがないじゃないか。
アイリスはかなり容姿が整っているし自己主張が激しい胸もある
覗きたいのはやまやまだが覗くのは普通ダメだろ。
それに覗かれる覚悟ってなんだよ………覗いても良かったのかよ。
「いや、覗かれるのは嫌だろ普通。言っとくが断じて男好きではないからな。女が普通に好きだから!」
「ふふっ。リクトさんになら構いませんよ。それに女の子が好きで良かったです。」
アイリスは笑いながら言う、コイツからかってやがるな、可愛いけど。
あーめっちゃ耳と尻尾をモフモフしたい。
「からかうなよ、ほら次の階段を探すぞ」
「はぁーい!」
最初に比べると随分と明るくなったな、急にアイリスの表情は険しくなる。
「リクトさん左の方向に強い気配を感じます」
「どれくらい強い?」
アイリスが新しく獲得した気配察知の能力だろう。
「そ、そうですね。レッサーグレイスシャークの2倍位です」
レッサーグレイスシャークの2倍ならステイタス平均値は250前後ってところか、オレのステイタス的には問題ないがアイリスは厳しいだろう。
「そいつを倒しに行こう、アイリス案内してくれ。見つけたら援護にまわってくれ」
「わかりました」
先程の緩んだ顔はなく真面目な顔だ、アイリスが慎重に近付き合図を送ってくる、壁からチラッと見てみるとそこには大きな牛と人間が合体したような魔物がいた、体は筋肉で覆われている。
分かりやすく言うとミノタウロスだろう、ミノタウロスは階段の前で寝ている、無視して階段を下りることはできないようだ。
「逃げましょう。ミノタウロスはヤバイです、二階層に出る魔物ではありません」
「いや倒さなければならない」
「なぜです?」
「奥に階段があるのが見えるか? ミノタウロスを倒さないと下に行けないだろう」
アイリスはオレの言葉を聞きミノタウロスの奥の階段を見つめる。
「確かに階段がありますけど。他の階段はないのですか?」
「あるかもしれないが、あれだけ探してなかったからな。ここ以外の探すのは疲れる」
やるしかないな、オレは覚悟を決めミノタウロスに魔眼、ステイタス閲覧、能力閲覧の使う。
《個体名:ミノタウロス
魔物ランク D~B
注意点、岩をも砕く剛力から放たれる攻撃は強力、一撃でも当たれば再起不能になる可能性すらある、また頭の角はかなり強力で加工すると強力な武器になる、またインテリアとして飾る貴族もいるため価値は高い
獲得可能能力 剛力 硬皮膚化 打撃耐性 切断耐性 恐怖耐性
精神攻撃耐性 火炎魔法耐性》
ステイタス平均値 320
余裕で2倍以上じゃないか!!!
アイリスの気配察知はおおよその力しかわからないようだ。
出来るだけ力の差が埋まるようにミノタウロスからは剛力をコピーした、硬皮膚化は身体能力強化で代用できる。
剛力の能力で力を上乗せしないと勝てないだろうあの筋肉には。
アイリスだと危険だな、オレが行くべきだろうステイタス的に、安全的にも………。
いつもは先制攻撃としてファイアーボールを使いダメージを負わせるのだがミノタウロスは火炎魔法耐性を持っているから効果は薄いだろう。
「オレが近付いてナイフで攻撃する。アイリスは隠れててくれ」
「危ないと思ったらすぐに逃げてくださいね」
オレはミノタウロスがいる部屋に入る、気付かれないように足音を立てず慎重に近付く。
近付く際はまさに生きた心地がしなかった、もし大きな音を立てると死ぬような錯覚が襲いかかってきた。
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