異世界に連れて行かれたら半吸血鬼！？～魔眼チートで成り上がりハーレム～

第4話リーディングアイ

　魔眼を手に入れてスキルカードを使用してから数十分過ぎた

　オレは左目をずっと閉めままにしてある、なぜならまともにコントロールすることが出来ず、開けると無条件で魔眼を発動してしまい目眩がしてまともに歩くことすら出来ない。

　そんな様子を見てミラはオレに対してずっと謝ってばかりであった。

「すまん、手助けしようとしただけなんだ。悪気は無かった。許してくれ」

　ミラは美しい白い髪の毛を振り乱しながら何度も頭を下げてくる。

　オレはそんなミラを見て逆に申し訳なくなってしまう。

「気にするなよミラ、実際にやめようか、とも思ってたからな。

　むしろ助かったよ、ありがとうなミラ」

　そう言うとしぶしぶ、とではあるが頭を下げるのを止めてくれる。

　だがミラはことあるごとに気をつかってくる、例えば 目はもう痛くないのか？ とか歩けるか、肩を貸そうか？など心配してくれるのはありがたかったが身長差があるオレとミラでは肩を貸して貰っても逆に歩きづらくなってしまう。

「ミラ、眠たくてしょうがないんだが、宿屋的なところはないのか？」

「それも魔眼の弊害だろう。こっちだ」

　ミラはオレの隣りにぴったりとくっつきながら歩いている、心配してくれているのは分かるが非常に歩きずらかった。

　表通りを通ると目立つので裏路地をこそこそと移動する。

まだ目眩がするのでフラフラとしながら歩くこと数十分、目的地であった宿へ到着する

　宿屋に入ると１階は酒場になっていた、むさ苦しい男どもの匂いと酒の匂いが合わさり酷い悪臭が目眩を悪化させる。

　そんな匂いの中で酒に酔い寝ている奴もいれば、宴会してる奴もいる、そんな奴らを無視し奥にいる店主と思わしき男へと近付く。

　酒を飲んでいた男たちはミラとオレの存在に気が付くと会話を止め、こちらの様子を伺ってくる。

中には剣に手を握り、己の命を守ろうとするように構えるものや、剣を向け威嚇してくるものまでいた。

　そんな視線や威嚇の中、オレとミラはそいつらを無視し店主のいる場所まで歩いていく。

　店の主人をやっているのが不思議なくらいに筋骨粒々な髭を蓄えたおっさんが接客してくれる。

「らっしゃい、今日は飲みにきたんですかい

　それとも宿の方ですかい？」

　宿屋の主人はものすごいダミ声だ、それにものすごく酒臭かった。

こいつ仕事中に酒飲んでやがる！！！

あっでも別にいいのか？異世界だし、オレの常識を押し付けるのは間違っているな

「宿のほうだ」

　ミラは少し嫌そうな顔をしたが毅然とした態度だったさすがだな、オレは関心しつつも見るだけしか出来なかった。

「そうかい、なら前払いで6銅貨だ」

　その額が多いのか少ないのかわからない。

　ミラはさっさと金を渡し部屋に移動する、部屋は２階の角の部屋で中に入ってみると粗雑な作りのベッドが２つにベッドの奥に小さなテーブルが1つと、なかなか良い部屋だ。

　ミラとオレはどちらのベッドを使うかで少しもめてしまった、オレは正直どちらでも良かったのだが、オレが右のベッドにしようかと思いベッドに移動すると、ミラも右がいいと言い出した。

「み、右がいい」

オレはどっちでも良かったので、左のベッドへ行こうとするが、ミラはすかさず左がいい！ と言い出してしまった。

そんなミラの意味不明な行動のせいでベッドを決めるだけで時間がかかってしまった。

結局、オレが右のベッドでミラが左のベッドという形になった、なぜかミラは不満そうな顔になっていた。

　そのあと、ミラとオレは魔眼について話をする。

「お主の魔眼は魔眼球で得た能力の中では上級の物だろう。

　その分消費する魔力を多いのだろう、まだ成長もしていないお前の体では魔力が足りず目眩をおこすのだろう」

　ミラはオレの目眩の原因を推測してくれる、待てよ………ってことはレベルさえ上げてしまえば魔眼は自由に使えるんじゃ？ ん～でも正直使い道がまだ、分からない。

　オレはベッドを座り１人で考え込んだ、魔力ってのがわからない。

元の世界には魔力という物が存在しなかった、まったくイメージが湧かない。

「魔力ってどうやって使うの？」

　ミラはオレの言葉を聞き、先程アイテムショップで買った品々を取りだし自分のベッドの上で広げる、あったのはオレの服、鎧、指輪、ペンダントだ。

　服のデザインはいたって普通だったが、鎧はパーツばっかりで全身を覆うほどの面積はなかった。

鎧として覆い隠せる部分は胸、肩、肘からしたの腕と手、それに膝からしたの足の部分だけだ。

考えてみると多いいが、実際は隠せている場所少ない。

　指輪は何のへんてつもない、鉄のリングだ、だが異質なことに指輪自体がうっすら光っていた、たぶんマジックアイテムだろう

　ペンダントは少しつけるのが恥ずかしいデザインだった、ハートのガラス中に星のような物が埋め込んであるという、なかなかに男がつけるのに抵抗感がある代物だった。

「こんだけ買う金どこにあったんだよ」

　そういえばミラはどこにあんな大金を持っていたのだろう？

　いつの間にか大金の入った袋を持っていたな、どこからだしたんだろう。

「あれは空間魔法だ。

私は主に亜空間の中に物を収納してるだけだが他にも様々な使い道があるんだが、少し魔力の消費が激しいのが難点だ」

　ミラはさらっととんでもないことを口にする、その魔法が使えれば色んなことができそうだな。

　そういえばオレの魔眼って魔法の理解もできるはずだ、機会があれば魔眼を使ってみよう、魔法というのがどういう原理なのか理解できるかもしれない。

「すげぇーな、ミラ お前ってすごい奴だったんだな」

　そう言うとミラは誇らしげな顔をしていた。

　本当はすごいのか、すごくないのかわからなかったが聞いただけではすごいと思った。

「ふん、私はすごいのじゃこれからは敬意を持つのだ」

　そんなこと言っているミラを無視しオレは着替えを始めた。

　最初から着ていた服を無言で脱ぐとミラは顔を両手に隠した、隠しきれない顔から真っ赤になっていることかうかがえた。

「なっ.....いきなり！」

　ミラは顔を赤くし慌てて後ろを向いた、だがオレに気付かれない用にチラチラとこちらを見ていた。

オレの貧相な体など見て何が面白いのだろう？ 理解に苦しむ。

「着替え終わったぞ」

　ミラに言われるがまま指輪と痛々しいペンダントを付ける。

　ミラは赤さが抜けきれない顔のまま、片手で顔を仰ぎながら鎧を指さした。

　鎧を装備しろということか、まぁ～鎧と言ってもパーツばっかりで全身を覆うほどの面積はないが。

　あったのは、くさりかたびら、胸当て、ガントレッド、すね当て、この順番に装備した。

　この４つしか装備してないのにかなり重かった。

「鎧の方は何の効果もないが指輪とペンダントはマジックアイテムだから大切にしてくれ」

　マジックアイテムか………どんな効果があるのだろう？

「指輪とペンダントの効果って？」

「それは.....練習ついでに魔眼を使ってみろ」

　ミラは一瞬、答えそうになったが途中からニヤリと不敵な笑みと共に魔眼の練習だとか言いやがった。

「そんなぶっつけ本番で使えるもんなのか？」

「いや、まっ………あぁ～大丈夫」

　練習か、目眩するからあんまり使いたくはないな………まぁ～でも練習して魔眼の能力は使わないともったいないし。

「しゃーない、練習するか」

　ゆっくりと深呼吸し左目をゆっくりと開けていく、指輪を見てみたが情報が流れ込んで来なかった。

　発動しないことに焦っていたらミラはニヤニヤしながらこっちを見てきた。

「魔力を使ってみろって言っても分からんだろう………左目を凝らすようにすれば魔眼が発動するはずだと思う」

　簡単に教えてくれるが、できるだろうか？

　魔力という概念すらない世界から来たオレが使えるのか？

　だが色々と考えても分からなかった、何を考えようと意味がないと思い、言われるがまま左目を意識して見てみた。

　………ダメだ全然反応しねぇー。

　左目に力を集めるったどういうことだ？

　とりあえずアニメとかのイメージでやってみよう。

　左目のピントを変えるようのイメージで目に集中する………………すると指輪の情報が頭に流れ込んでくる。

　《アイテム名:精神安定の指輪

　効果、錯乱魔法抵抗力上昇、精神安定化》

　という効果らしい

　前みたいに目眩がすることもなく使えた、これで魔力を使うコツも掴めた。

　だが魔眼を使うと激しく疲れたような感覚になる。

「使えたが疲れた先に寝てもいいか」

「寝てもかまわんが鎧は外せよ

　起きたら体を痛めているぞ」

　オレは鎧を外しベッドに倒れ込む用に横になる、目を閉じるとオレは泥のように眠ってしまった。

　........................

　目を覚ますとミラの服は変わっていた、昨日買ったマジックアイテムだろうか。

　ブーツに、ショートパンツ、オレのあげたYシャツにローブという格好になっていた。

「おはようミラ、着替えたのか」

　ミラはオレが起きたことに気付くと朝ごはんとしてパンをくれる、あまり美味しくなかったが文句言うほどじゃないな。

　体の疲れはすっかり嘘のようになくなり、体は快調そのものだった。

「よしリクトも起きたことだし、そろそろ行くかの」

　そう言うとミラは立ち上がり身支度を始めた

そんな早く出なければ行けないのだろうか？

「もうか？ そんなに急がなくてもいいんじゃないか？」

「そうだが、これからやることがないし

　宿屋は起きたらすぐに部屋を明け渡さんとならん」

　ここの宿屋のルールらしい、しぶしぶ眠たい目を擦りながら身支度を始める。

鎧を装備し宿屋をでた。

「これからどこへ行くんだ？ミラ」

　ミラは黙って今後のことを考え込み、黙りこんでしまう。

　行動方針ぐらい決めとけよ！！

　まぁ～でも、ミラがいないとオレは何もできないし………自分で言ってて悲しくなってしまう。

　ミラは宿屋の前で立ち止まりながら考え込んでいたが、やっとどこへ向かうか決めたらしい。

　ミラはアイテムショップとは逆の方向に歩き始める、オレはその小さな背中を追いかける。

「どこへ向かってるんだミラ」

「町エメリカの外だ」

　どうやら、ここはエメリカという名前の町らしい。

　………初めて知りましたよミラさん！

　町の外に向かう途中すれ違う人達から嫌悪の目で見られる、時には男または女さらには子供までも、最悪の気分だ。

こんな中でずぅーーーといたら頭がおかしくないそうだ。

　そんな異質な目を向けられながら歩くこと数時間、町の外壁にたどり着いた。

　門兵はこちらを見るとすぐさま槍をこちらに向けた。

　みんな同じ態度だ、すこしは変化とか付けろよ！

「おい！ そこの奴ら、止まれ。変な行動を少しでもしてみろ刺し殺してやる。」

　今にも飛びかかって来そうな勢いで睨む門兵。

　何があいつらを、あーも掻き立てるのだろうか、俺たちが何をしたって言うんだ？ これじゃー人間が嫌いになりそうだ。

まぁ～俺も半分、人間なわけだが。

　ミラは門兵を無視し町の外に出る指輪の効果で精神は安定しているとはいえ、あんな態度を取られてはさすがにイラっときてしまう。

「言ったであろう、魔物は嫌悪の対照だと

　すまんな私の気まぐれで巻き込んでしまって」

　ミラは涙は流していなかったが悲しい表情と申し訳ない表情が

混ざりあった表情をしていた。

そんなミラの憂いを帯びた表情に無意識のうちにドキっとしてしまった。

「気にすんな、オレはあんなクソみたいな世界から救ってくれたんだ。

　周りがどう思おうが言おうがオレは………ミラのこと大好きだぞ。他の奴らがどう言おうが気にすんな、オレはずっと一緒だ」

　そう言うとミラの頭を撫でてやった

　いつもミラなら嫌がりそうだが、今回は黙っている、泣いていると察せられないようにローブについているフードを深くかぶり涙を隠していた。

「なぁー町の外に出たがこれからどこへ行くんだ？」

　ミラは少し涙声だった必死に隠してはいるが。

　オレにくらい弱いところ見せてもいいだろうに意地っ張りだな。

「とりあえず、ジュラザの森に行こうかなと思っている」

　周りを見渡してみると町から右の遠くの遠くに森が見えていた。

それはもうかなり遠かった、歩いてそこまで行くのに何日かかるのだろうか

「マジで？」

　ミラは黙って頷く、どうやらミラの機嫌は治ったようだ。

　でもあの距離は辛い歩きだと３日はかかりそうな距離だぞ！

「遠くね、森に行ってなにすんだよ」

　ミラは小さな手を握りシャドウボクシングをした………戦うってことか。

まぁ～今の自分がどれだけの物なのか分かるいい経験になるだろう、それにミラがいればなんとかなりそうな気がする。

「お前のレベルを上げないとな。最低限、自分の命は守れるくらいにはなっていないとな」

　そう言ってミラは歩き始まる、オレはそれを追いかけるように歩き続ける。

　途中でミラの持っていた食料が底をついてしまった、だが食糧には困らなかった、道端に生えているキノコや、木になっている実を左目で見ると食べられる物かどうか分かる。

　途中で左回りを使い見付けることが出来た薬草や魔力を含んだ石などがあったので拾っておいた

何かに使えるかもしれねぇーというか便利な目だな。

そんな日常を送ってり、楽しいミラとのウォーキングも終わりを告げ、森の端までいつの間にか着いていた。

「魔獣って強いのか？」

　ミラは不適な笑みを浮かべた、ミラの容姿には似合わないような、企んでいるような顔を俺に向ける。

「森に入ったら私は一切お前を助けん３週間生き延びよ」

　そう言うとミラはオレの肩に手を置き早口で呪文を言う。

「はっ？ ちょっとまていきなり過ぎるだろ」

　ミラは素早く呪文を言い終わるとオレの目の前の風景が入れ替わる………森のど真ん中に転移させられたみたいだ。

全方位見ようがあるのは鬱蒼とした森ばかりだ。

　道もわからず食糧もない、こんな絶望的な状況に不思議と笑いが込み上げてきた。

ひとしきり笑い、冷静に今後のことを考える………あるのは最初から持っていたナイフ一本だけだ。うん、３週間どうしよう！全然分かんない！

「いきなり過ぎだろ、あのロリっ娘め！

　絶対生きて帰って仕返しほっぺプニプニしてやる」

　周囲を見渡してみると１匹の兎らしき魔獣がこちらを見ていた

だが兎と決定的に違ったのは角があるところだろう、それに白ではなく、茶色と黒が混ざったような色をしていた。

「よっしゃさっそく昼飯ゲット」

オレは軽い気持ちでウサギの魔獣をナイフで切りつけた、だがウサギの魔獣は物凄い早さでこちらに向かってくる。

　ウサギはオレのナイフを避けてオレの太ももに角をつきたてた、だかそれほど痛みはない、無意識の内に身体強化していたのだろう。

そのお陰か皮膚が兎の角を弾いただが弾いたが衝撃が骨に響き痛い。

「いってぇーな、はっ？ マジかよ」

　油断していた、いや甘く見ていた！はっきり言って速さならオレをゆうに越すだろう。

人間だったら、いや身体強化がなければ、かなりの痛手だっただろう。

　それにしても兎は恐ろしく速かった

　目で追えない、これは断言できる！ さて、どうするか。

　いくら考えようと、やはり見切るしか方法はない兎は幾度となく突進してきたがオレはなんとか避けることが出来た。

ウサギは向いている方向へしか突進しない、ということが数回みて分かった。

　何回も突出してくる先はだいたい右手のナイフを持っている手だ何度か見ているお陰かウサギが一直線にしか突進しないと分かれば見切れる………なんとか。

　右手に向かってくる兎の角を左手で掴む、そのまま右手のナイフで頭を目掛けて降り下ろす。

　兎は一瞬で絶命する。

　兎との戦闘は数十分で終わったが予想以上に疲れた。

「は、はぁ～兎１匹にかなり

　手間取ったな、コイツ食えるのか？」

　魔眼を発動し兎を見た

　《固体名:ホーンラビット幼少期

　魔獣ランク　D～C

　注意点、一瞬で絶命させないと仲間を呼ぶ、生食には向かない　肉は臭みが強い、臭みはロエの草で消すといい》

　らしい

　色々な事を教えてくれるな、魔眼よ。お主さては使えるな。

「あっぶねぇーコイツで子供かよ………大人だったらどんだけ強いだよ」

　火をつくろうと薪を集め、森を歩くと木だらけなので薪には困らない………火種はどうしよう。

「やっぱ、あれしかないか」

　オレは木の板と木の棒を擦り合わせた、何回も何回も何回も何回も何回も気が遠くなるほど擦るとなんとか小さな火種ができる。

「よっしゃ～やっとできたぁーって夜じゃん！！！」

　空はいつの間にかキレイな星空となって輝いている。

　ん？ 待てよ………オレって３時間～６時間くらい火種を作っていたことになる。

　道理で腕が痙攣するわけだ、オレは痙攣している腕でそっと火種を集めた薪の下に置き火をおこした。

我ながら自分を誉めてやりたいものだ！

　薪集めの時には見つけた棒で兎を串刺しにして焼いた、もちろん内臓とうは既に取り出してある。

「はぁーやっと飯だ、つか昼飯のはずが晩飯になってるし。

ホントに文明の利器の素晴らしさが分かった気がする」

　そんなことを言いつつ、ウサギを食べていく、臭みが強いと書いてあったがここまでか！！！

獣臭いのか土臭いのか分からないがとにかく凄かった、今度はロエの葉探そう。

オレはそう誓うのであった。

「もう寝よっと」

　どこで寝よう………このまま地上で寝たら悲惨な運命になりそうだし、寝てる間にデカイ魔獣に食われていたらなんて想像するだけでゾッとする。

　そうだ！ 今夜は木の上で寝よう。

　さすがに木の上なら大丈夫だろう、こんな所で寝るやつなど中々いないだろう。

　少し木に登るのに苦労しながらもできるだけ高い枝の上で座り、木のツルで体を固定するり

「はぁー疲れた１日目でこれなら合格だろう」

　オレは目を閉じた、すぐに意識は夢の中に落ちていく。