第13話 保育園と自宅育児
不愉快に思う方がいたら、ごめんなさい。と、はじめに謝ります。
別に、保育園と自宅育児の優劣をつけるつもりはなく、我が家の場合、あくまでも私のケースではこう思ったという一例です。
うちは長男は1歳2か月で保育園デビュー。
次男はほぼ3歳で保育園デビューした。
よく、子どもは3歳までは手元で育てるべきという三歳児神話ってのを聞くよね。
たった2サンプルだけど、うちの子たちを違う環境で育ててみた結論。
家で育てても。
保育園で育てても。
親の関われる時間なんて、大差ない。
それが、私が得た結論でした。
でも、もし入れられるのならば、1歳くらいからは保育園という場を利用するのも子どもにとってもいいんじゃないかと思ってる。
まず、親子で家に一日中いると、やらなければいけない家事が増える。
一番増えるのは、掃除。
大人一人と子ども一人が一日中家にいるのといないのとでは、家の汚れは段違いに変わってくるんだ。特に水回りの汚れは段違いに変わってくる。
それから食事を作る回数。
家にいると、昼食を作ることと、おやつを用意することが増える。
それからうちの場合は、私が家にいるときは共働きのときに利用していたネットスーパーや食材宅配の利用をやめて、節約のために近所のスーパーに特売を買いに走るようになった。
この三点だけでも、共働き時に比べてぐっと家事が増えた。
私が家事をしているときは、子どもの世話は後回しで、実質、安全に配慮した室内で放置ということになる(テレビに子守りしてもらってたこともあった)。
それ以外にも、外遊びの見守りや、ほかの同年代の友達と遊ばせるために育児サークルに入ったりと、案外忙しい。
近所に同年代の子がいないため、育児サークルを掛け持ちして、週3で出かけていた。
午後には長男が友達を家に連れてくるので、家事は昼の2時までに済ませなければならず、そして5時までは長男友人たちが家で遊ぶ見守りをしていなければいけないので外出もできない。
家にいる間、常に朝から夕方まで忙しかった。そしてそれらは、別に母親じゃなければできないというものでもなかったし、大部分は子どものためにやっているものでもないものだった。
……結局、育児休業中に次男に向き合えた時間は、正直、1歳で保育園に通っていた長男のときとほとんど大差ないどころか、むしろ長男の時の方がよく向き合えていたんじゃないかという気すらした。
なにより、家で家事をしている間、次男をほとんど放置せざるをえなくなっていたことがとても心苦しかった。
だって、保育園に行っていれば、プロの保育士さんが家事の片手間なんかでなくちゃんと見守って、月齢に合わせた遊びを提示してくれる。同年代の友達にたくさんの刺激を与えてもらうこともできる。
そんな長男の育った環境と比べ、リビングで一人ぽつんと一人遊びをしている次男を見ると可哀そうだった。相手してあげられなくて、ごめんねって。とても可哀そうで溜まらなかった。
だから、次男の育児休業中はいつも、もっと早く保育園に入れてあげるべきだったんじゃないか。親の手元にいつまでも置いておくのは親のエゴなんじゃないかって常に思ってたよ。
長男のときは3歳までテレビ類は一切見せないっていうことも実践できたけど、次男にそれをするのはかなり難しかった。
私が家事をしている間、放置している時間が長くて、テレビがないと時間が持たなかったからだ。
もしもう一人子どもを授かることがあったら、次は子どものために、1歳くらいから保育園に入れてあげたいなと思う。
専業兼業関係なく、だれでも1歳くらいから入れる保育園があって利用者も多い……なんていう環境になるといいんだけどね。
それに。家族が多くて、常に家の中にたくさんの人がいて、周りにも同年代先輩後輩のお友達がたくさんいるという環境だったら、ずっと家で育つのもいいと思う。というか、それが本来の人間の育ち方なんだと思う。
でも、都市部の核家族では、その人間本来の育ち方ができない気がする。
それを補うのが、保育園という場なのかな……なんて思う。
正直、初めての土地での育児で。
頼れる人は仕事で終電間近にしか帰ってこない家人だけの状態で育児をしていた私には、保育園の存在はとてもとても有難かった。
育児をしていくうえで、ちょっとでも不安があると、すぐに自分の子のことをよく知っている保育士さんに相談できた。保育士さんの、現時点の子供の様子だけでなく、長い目でみた視点でのアドバイスはいつも目から鱗ものばかりで、とても役に立った。
園での月齢にあった遊び方も、自宅でおもちゃを手作りしたりするのに大活躍。
体のことで不安があると、園の看護師さんに相談できた。
園の食事やおやつ献立は、家での食事作りや食べさせ方によく利用させてもらった。
園で、少し月齢の上の子たちの様子を見ながら、うちの子がこれからどうやって育って、どういうことに注意していけばいいのか予測がたてられたことは心の余裕を生んでくれた。
なにより。自分の子のことをよく知ってくれているプロの方が周りにたくさんいて、ママ友達がいて……私は孤独じゃなかった。とても心強かった。
わが子は、そんな沢山の人たちに囲まれて見守られて大きくなっているんだと思うと、安心した。
大きな大家族の中で子育てしているような気持だった。
ちなみに。私は子どもができたときに、子育てのことが知りたくて、保育士試験のテキストを全教科読破して暗記したことがある。市販の子育て本数冊だけじゃ、満足できなくて。
保育士試験は仕事が休めなくて受験できなかったけど。受けてたらおそらく受かってたと思う。
でも、やっぱり実際育ててみると、知らないことばかりだった!
小学生になった息子たちは今でも、保育園に戻りたいなとよく懐かしそうに言っている。
特に次男の保育園の手作りおやつ(その中でも、とくにモンブラン)が絶品だったらしく……モンブラン見るたびに「保育園のモンブランが食べたい」って呟いている。
私も食べてみたかったよ、そのモンブラン。
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