第23話風邪

 「ただいまー」

 わっちは、肩に掛けていた薄汚れタオル(わっちが命名した)でお仕事でポロポロたれている汗をふきふきしながら、麦わら帽のワラちゃんを帽子掛けのてっぺんに置くと

 「今日もダンディーじゃのぅ」っと帽子掛けさんに言い両方の人差し指で指差した。

 ドールハウス用のベッドで寝ているカエルさんを見ると、なにかおかしい。

 カエルさんが寝ているわっちのベッドの横の円テーブルの上にカエルさんのベッドが置いてあるのだが、その中でカエルさんはハァハアと顔が赤い、エロガエルになってしもうたか?  っと思ったが、苦しそうじゃった。

 「どうしたんじゃ、カエルさん」

 「風邪ひいたみたいだ」

 ゴホゴホっと咳をしたカエルさん、ゴッドブレスユーなんて言ってる場合じゃないのぅ、あっあれはくしゃみか。

 「もしかしてカエルさん、コンコン?」

 カエルさんのパッチリした目が今やトローンとしている。

 「コンコンってなんだよ」

 かよわい声で呟いた。

 「風邪よ、コンコンって咳するでしょ?」

 カエルさんは上をむいて目をつむった。

 いつもなら(訳わかんねぇよ)っとつっこんでくれるのじゃが。

 「頭がフラフラする」

 わっちは頭らしき所に手を置いた。

 わぁアチチじゃ。

 「イシイさんの所に行ってくる」

 わっちはイシイさんの所に行ったが

 イシイさんは

 「カエルには寄生虫がたくさんいるから触らない方がいい」

 っと言われた。

 喋るカエルとはとてもじゃないが言えぬ。


 うちに帰ってオロオロしていると、村長さんが入って来た。

 「カエル、熱だしたらしいね。薬草持って来たから飲ませてあげて」

 わっちは村長さんが帰った後薬草を木の椀とゴブリンが持ってるような形のミニサイズの棍棒でガシガシ潰して、お水で溶かし、カエルさんに飲ませようとしたが一気に飲めないらしく、わっちはスポイトで薬草をタラタラたらした。

 ★

 次の日もカエルさんは、苦しそうだった。

 いつも側にいてくれたカエルさん。

 死んじゃったらどうしよう。

 その夜、カエルさんに見られない様に、布団をかぶって泣いていた。

 眠れなかった。

 布団の中で泣いて、ぐったりして目が冴えて、すっと蝋燭に火をつけてカエルさんの顔を見て驚いた。

人間の男の子になっている。

整った顔の感じだったがショタっぽい感じがする、ショタは好物じゃ。

 でも、わっちはカエルさんの時のカエルさんも好きじゃ。

 ん? 好き?

 そう思うと胸がドキドキしはじめた。

 ショタのカエルさんの唇にわっちの唇を合わせる。

 青い光が辺りをつつみ始めた。

 (なんの光?)

 そう思ってショタカエルさんを見てみると、あれ、この人……。

 どこかで合ったような。

 ★

 次の日の朝、カタカタという音とともに、目が覚めると、カエルさんが薬草を煎じていた。

 カエルさんは薬草をわっちの口に運んだがわっちは薬草をはいてしまった。

 あぁ、わっちも風邪をひいたのか?

 「俺の風邪がうつってしまったようだな、ちゃんと薬草飲めよ」

 わっちは赤い顔で

 「口移しがええ」

 っと言うと、みるみる顔が赤くなるのを感じて布団を口元に上げてひょっこり顔を出した。

 ん、っとわっちは唇を尖らせた。

 「おっおい」

 ショタカエルさんはポリポリと頬をかいてゆっくりわっちの唇にキスをした。

 「カエルさん、どこかで会った事ある?」

 「いつも会ってるだろ? 俺は忘れないぜエミの事」

 わっちはにひひっと笑い恥ずかしくなって布団に潜りもぞもぞさせた。

 その後村長さんが来て呪いが半分溶けたなっと言ったがよく分からなかったがわっちは嬉しくて布団の中で足をバタバタさせた。


 次の日はカエルさんもカエルに戻って、わっちは風邪が治っていた。

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