ぼく-4による記述
①
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飛び起きた、と同時に頭に衝撃。
天井に頭をぶつけたのだ。
酷い悪夢だった。
それはぼく自身が、無数の「ぼく」たちに解体されるという夢……冗談じゃない。
寝転がったまま
ざわざわと静電気が
蓋が滑って消えるとその先にあるのは白一色の潔癖な天井。身を起こせば部屋には均一な光が満ちていて、風が
快適で完璧な朝。
すべてまったくいつも通りに。
多少の倦怠感すら……。
……のはずなのだが。
なにかが違う気がする。歯車がひとつ足りないような、奇妙な違和感。
だがその正体はすぐにわかった。ぼくの左右にいる四人の「ぼく」たち――ぼくの右にひとり、左に三人――彼らはいつもぼくと同時に起き上がるのだが、その姿がひとつ欠けている。ぼくの左隣。
『
思い出した。そういえば、昨日の仕事終わりに班長が云ったんだっけ。「きみは実によくやっている、ここまで
つまり、あんな夢を見たのも昨日の一言のせいだろう。ぼくはそう合点した。大して心配するようなことではなかったのだ。
ぼくは十八から
『おはようございます。社員のみなさま、昨日はよく眠れましたか。本日は紀元三○○年七月七日、
今朝もまた労働が始まる。
すべてまったくいつも通りに。
>> 記述終了
統體の精神状態を安定させてください。
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