サポーター
弟が回復してきた。
私は年金で悪いが、少し使わせていただいて、奴にアートノートとカラーペンを買った。
弟は喜んで、早速今日からノートに様々書き込んでいる。
良い風に転ぶと良いが。
そんなこんなで、朝は掃き掃除、昼は弟と散歩、夜はたまに赤ちゃんの世話と、案外恵まれた生活を送っていたのだが、爆弾は落ちた。
私に。
昼間いとこたちが来て、各々の赤ちゃん自慢やその上で生じる女特有の嫌味など聞き流し横に居たのだが、なんだか疲れた。
いとこが一人帰ったところで、二階に上がり、ゆっくりしていた。
と。
「ウー!ウー!ウー!ウー!」
急に変な声が聞こえ、きゃははと笑う声がはっきりと聞こえた。
私はまた隣か!と怒りがこみ上げ、こんなに頑張っているのに、何故、と思うと憤り、怒りが止まらなくなった。
「うるさい言うとるやろ、うるさいんじゃこらー!」
私は怒鳴った。
いや、怒っとるー!と声は笑った。
私は一旦冷静になり、一階に降りて祖母に「隣がまた騒いだ」と伝えた。
祖母は「また始まった!」とにべもなく、母は「確認してあげよう」と言い二階へ上がり、いとこはびっくりして帰って行った。
母と部屋で話していた。
先ほど起こった出来事、信じられなかったということ、それから母が「私達が騒いでいたから、多分あなたの症状が出たんだろう、とりあえず、薬飲みな」と言った。
私はいつもなら素直に飲めるのに、その日は病の日だった。
素直に飲まず、口論になり、母にどつかれた。
私は終始冷静で、母をわざと怒らせて本心を探ったのだが、母は本心の人であるとこれでわかり、安心した。
それからお互いに話し合い、場は和んで、「母さんには敵わんわー」と言い合い、下に降りて祖母に謝った。
その後いとこのお姉さん二人に電話とメールをして、相談したいことがあると言ったが、請け負ってくれたのは片方だけだった。
なんだか、腹が読めたな。
所詮人間は変わらないということか。
私はがっかりした。人間というものに。頑張っても結果は変わらないのだということに。
それから請け負ってくれた方に「なんでもない、大丈夫」と返信し、諦めた。
人生諦めが肝心だ。ここが引き時。
朝の掃き掃除で、御仁ありて、その方が「頑張ってるね、ありがとう」と御礼をしてくれた。
私は返事を返し、「わかってくれる人はわかってくれる」と感動した。
それから、いつまでも私が腹黒いとか、怠け病だとか無知なことを触れ回る人達を思い出し、悲しくは無い、ただただ心は無音だった。
なんの感情もない。起きない。無感想。
最早動物園の檻で隔てられた動物と動物の心境。お互いにどうでもいい。
ただ同じ種類の動物とコミュニケーションはある。心配し合いもする。
それ以外は他人である。ただ、見ている。この後どうするか、どうなるか、ただただ見守っている。無言で悟らせようとしてくれている。
悲しいけど、それだけなんだ。
私は過去のことは言わない。私の犬が文句を言わないのと同じ、その心に習う心境にて。
弟にアート・デザインの本を買ってやった。
奴の成功を望む。
ただ、なんでもない人生を送れればいい。大物にならなくても良い。
だがしかし、己の人生は己自信で頑張るしか無いのだ。
そのことを悟らせてくれる塩対応だった。
見守ってくれる周りに感謝する日々。
感謝と謝罪がお家芸、と言われる私だが、これが出来ないならそれは、大人ではない。
基本中の基本だ。
では。
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