第24話 とても長い一日2
家に帰ったクーたんは、出かけるときにはいつも持ち歩いている、たくさんの荷物を置いて身軽になり、自転車にまたがって、フツウサを探しに出かける。
クーたん「いろんな場所を探してみよう。」
まずはクローバーの丘へと出かけるクーたん。自転車はスピードをあげ、あっという間に目的地に到着。自転車をとめ、クーたんがせわしなくフツウサを探していると、すぐにかいぞうさが話しかけてくる。
かいぞうさ「いやぁ、クーたん。元気かい?」
クーたん「こんにちは。かいぞうさ。フツウサを見なかったかい?」
かいぞうさ「うん?今日は見てないよ。どうかしたのかい。クーたん、顔色が良くないように見えるけど。」
クーたんは、かいぞうさに自分が近々お別れしなくちゃいけないこと、それを聞いたフツウサが泣きながらどこかに行ってしまったことを伝えた。
かいぞうさ「お別れ・・・。それは、特にフツウサにはつらいことだろうね。」
クーたん「・・・。」
胸が苦しくなるクーたん。
かいぞうさ「今は急いで探すんだろう?落ち着いたら私にも詳しいことを教えてね。私もフツウサを見つけたらなんとか連絡するから。」
クーたん「ありがとう、それじゃ。」
クーたんは、一度も笑うことなくクローバーの丘から自転車で走り去った。
かいぞうさ「お別れか・・・。急すぎるよ、クーたん。」
かいぞうさは、寂しそうにつぶやいて、クローバーの丘の奥へと消えていった。
必死のクーたんはとにかく自転車をこぐ。クーたんが次に向かった先はエキだった。エキに着いたクーたんは自転車をおり、エキ周辺にフツウサがいないか隈なく探す。
クーたん「フツウサー。フツウサやーい。」
しかし、フツウサはいない。しばらく探しているとエキにデンシャが到着し、そのデンシャから、なきうさがおりてくる。
なきうさ「こんにちは、クーたん。」
クーたん「・・・なきうさ。」
なきうさ「どうかしたの?クーたん。顔色が良くないけど。」
クーたん「実は・・・。」
クーたんは、なきうさに自分がお別れしなくてはならないこと、それを聞いたフツウサが泣きながらどこかに行ってしまったことを伝えた。
なきうさ「お別れ・・・。ポロポロ。」
涙を流すなきうさ。
クーたん「なきうさは、フツウサを見なかったかい?」
なきうさ「私は今朝からデンシャで隣町に出かけていたから、わからないよ。今帰ってきたところだもん…。」
クーたん「ああ、そうか。そうだよね。」
なきうさ「クーたん、大分慌てているね。フツウサの家には行ってみたの?」
クーたん「そうか、自分は一度フツウサの家の前まで行ったことがあるんだった!」
クーたんは、転びそうになりながら自転車のとめてあるところまで戻り、自転車にまたがってまた、なきうさの前に戻ってきた。
クーたん「ありがとう、なきうさ、それじゃまた。」
なきうさ「うん。あとで私にも詳しく聞かせてね。」
クーたんは、そのなきうさの言葉に返事をする余裕もなく、一度しか行ったことのない、フツウサの家に自転車で向かうのであった。
なきうさ「悲しい・・・悲しいね、クーたん。」
なきうさは、その場でいつまでも大粒の涙をポロポロとこぼしていた。
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