第13話 遠く離れてるほどに

「ガウス、パスカル、単装レールランチャー発射!グリムゾン、雷管にVARSL装填!撃てーッ!」


慌ただしくなる海域。

ルナーレ、カーノ・・・イリシスはそれがどこの軍の潜水艦か知っていた。


”北米連合”


旧カナダ、旧アメリカ合衆国、旧メキシコの3ヶ国と北アフリカの国家群が連合・同盟化。2001年から

たびたびこのマグナルスに艦艇を用いて接近していた。


「敵艦より魚雷発射を確認!ランダム回避運動!」


極秘任務だけあって敵艦を轟沈することが許可されない。いくら敵艦から砲撃されようと、牽制攻撃しかすることが出来ないのだ。


「輸送機、イリシス様を日本へ。ここで足止めを喰らうわけにはいきません。」


旗艦 グリムゾンより通達された通り、ここで足止めを喰らえば確実に取引の妨げとなる。同時に本機には被検体である”ステラ”が搭乗しているため、失うわけにもいかない。


「わかった。機長、戦域から離脱。任務を執行してくれ」


イリシスの命令により、第6水軍に戦闘を任せて

ヘリは日本へと向かった。


ーーー日本に着いたのは13:35だった。

山口県宇部市。山口宇部空港へ着陸したヘリは、

すぐさま補給と整備が行われた。

エクナ達はその間に空港内のレストランで

食事を取り、移動の為空港の外へ向かう。

ターミナルからすぐそばの空港のロータリーに

白塗りのセンチュリーが止まっている。

よく見ると京都ナンバーである。


「・・・余計な真似を。恵奈、結衣、奈々。行くぞ」


イリシスはその車の持ち主を理解するとエクナ達を連れてその車に乗り込んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る