第7話 天才少女

「むぐぐぐ・・・」


能力計測場にステラの姿はあった。今は握力を測っているようだ

ステラに名前をつけた後、一行はこの場所に移動していた。

身体検査は終了していたが、能力の再検査が求められていた。


「計測完了。ステラ・アイベルン。右握力 51kg。左握力 39kg。評価 A」


評価 A ・・・上から5番目の評価。とても16歳と思えないパワーであっても、被検体にとっては低い値になるようだ。


「やはり力は低めですね。その他能力偏差値は高い値を示しているのですが」


ニュークス達は観測室から能力計測場を見下ろしながら、その結果に疑問を抱いていた。


「まぁいいでしょう。確立された標準値があるわけではない。彼女自身、悪いわけではないのです。」


修はイリシスに目を向けて、そう言った。


「たしか・・・1000年以上前に人帝が居たな。確か、日本古史で・・・”聖徳太子”と言ったか。」


イリシスは思い出したように その名前を口にした。

未だ解らぬ人類の謎。・・・人帝と呼ばれる彼はどうやら被検体の能力覚醒の鍵になるらしい。


「あ・・・かッ・・・がッ!!」


イリシスと話していた一向。しかし、

突然修は胸を押さえてその場に倒れこんだ。


「修観測官!どうなさいました!」

「緊急用ストレッチy・・・!?」


次の瞬間、修の周りに居た人間は司上の抵抗を受け、

壁まで吹き飛ばされた。修の瞳は黒から赤へ変化し、

胸を押さえながら修は苦しみ続ける。


「・・・はぁッ!・・・これで。あ・・・ぐ・・・」


修は胸ポケットから注射器を取り出すと、それを腕に刺して何かの液体を注入していた。


「なんですかそれ?」


ニュークスは不思議そうに聞いた。


「・・・永天だ。」


永天。聞いたことのない名前。しかし


「永天!?・・・もしかして!」


ニュークスは、どうやら知っているらしい。ニュークスが取り乱した薬。永天とは一体・・・

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