第5話 星と少女とエクナと

エクナは少女を手際良く着替えさせた。ものの1分で少女は毛布姿から白いドレスのようなワンピース姿へと変わった。


「・・・ありがとう。貴女・・・エクナって言うのね。ふふっ」


少女は微笑みながらエクナにお礼を言った。少女は着替え終わると再び修の後ろに隠れながら歩み始める。


講話室はターミナルから伸びる通路の奥にあった 。全長にして300mもある通路。イリシス達は、ゆっくりと歩いて行った。


「さぁ。こちらへ」


修が講話室の扉を開ける。

いたって普通の講話室。イリシス達は部屋に入り、席についた。


「では本題へと参りましょう。 ・・・単刀直入に言えば・・・今回はこの子の名前を考えていただきたい。」


席に着くなり修は、先程とは一変して鋭い目つきでイリシス達へ趣旨を伝えた。しかし


「それはエクナの仕事だ。そうではない・・・私へ協力願ったのは・・・一体誰なのかね。」


修の言葉に対し、イリシスは修を睨むようにして質問した。すると


「・・・それは私です。」


講話室の扉が開き、扉の向こうから白衣の女性が現れた。


「こんにちは。メルバード公爵。私はニュークス・・・アイベルンと申します。」


その女性は長い黒髪で前髪は左目を隠す様に伸びている。目は紅色のようだ。

女性は、おもむろに白衣からiPhoneを取り出し、イリシスに渡した。


「彼女の身体偏差値(パラメータ)です。なかなか高い値を示しています。が、能力は未だ解析不能です。・・・まぁとりあえず彼女に名前をあげて下さい。名前がないのは可哀想ですから」


ニュークスはエクナの方を向き、こう聞いた


「名前は・・・決めてあるの?」


エクナはニュークスの問いに答えるように”少女の名”を言った


「ステラ・・・その子にはステラという名前を付けたいです。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る