第2話 姉妹

容器に入っている生物は人ではない。”人”の形をしている”何か”である。その性能は人間を遥かに上回るもので、更に”セブンスシリーズ”である彼らには”何らかの力”が付加されている。それは覚醒せねば分からず、彼らが使いこなすかも分からない。


ーーー しかし彼らにはもう一つ


秘密があった


計画のコンセプトは人の業。


つまり彼らは「体は女性の様にしなやかに美しく、そして身体能力は男性の様に剛く、凄まじく」というコンセプトで造られており、女性でも男性でもないのだ。

何故そう作られたかは分からない。

が、少なくとも正当な理由でないことは確かだ。


「被検体-07553、シグナルロスト!CPU、及び機密隔壁閉鎖!」

「ニュートロンスタビライザー、起動。出力を75%でホールド!」

「アクセス不可能!リンクゲージをパージします!」


被検体は失敗すると死亡するか、能力の暴走を起こす。

そのため早急に処理する必要がある。

特にセブンスシリーズは強大な力を有する為、早急に対処が必要だ。


「被検体、鎮圧。警戒解除。作業班は直ちにB-7区画への対処を。第五調査班はニュートロンスタビライザーの調整にあたれ。」


「計画は所詮図面上のおとぎ話だ。現実に上手く行く程容易くない。まぁそれが、あの男を諦めさせる最大の”言い訳(プロパガンダ)”になる。」


研究員の後ろから喋っているのは

イリシス・メルバートだった。


「しかし良いのですか?イリシス様のお嬢様をこんな物の為に・・・」

「様、様五月蝿いよ。まぁ正直エクナをこんな事の巻き添えにはしたくなかったのだがな。まぁこの計画は上手に失敗してくれ。人は何もこんな姿で生まれたくは無い。願わくば・・・な」


エクナ・・・この名を持った少女が後に5年間も悩まされ続けるとはこの時、

誰も知る良しもなかった。

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