A∩B ~運命編~

@amane_killa

第1話 SALENA

1950年・・・11/26

帝国院遺伝子研究所は設立された。

国の最高研究機関であり、精神系研究装置はここへ集められた。

当時帝国の最高権力者であった”バルドー・アイベルン”氏は

自らの後継者を生み出すためだけにこの研究所を利用していた。この時造り出された被検体は24000体。そのうち生存したものは560体(後の内乱により全員死亡)


しかし1985年・・・国内最大手の株式企業[沢嶋Jホールディングス]へ権限が移行。実権が”イリシス・メルバート”氏に移ったため研究内容を変更。アイベルン家より提供された遺伝子にメルバート家の遺伝子を掛け合わせ結合する技術を採用した。これにより従来の被検体培養ではなく新たなる”力”を持つ、後の「セブンスシリーズ」と呼ばれる被検体が研究された。セブンスシリーズは全10000体生産されており生き残っているのは3体だけであった。



2007年9月30日

「アライブリンク正常。パーソナルコネクタ接続、システム正常。ニューロリンク、固定。出力定格・・・被検体、常時良好です」

「被検体-0723、シグナル異常なし。バイタル良好。」


被検体の状況を把握するために各研究員が常時モニターによる監視を続けている。研究員が監視している部屋。そこはまるで水族館の様に容器が並んでおり、中に液体と生物が入れられていて、灯りは薄暗い蛍光灯だけで闇に包まれたような暗さを持っていた。

この中の何体が成功するのかは分からない。

ただ研究員達は監視を続け、まだ見ぬ人類の夢を信じた。

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