ほどけた赤い糸/結ばれた赤い糸

幸葉 紡

ほどけた赤い糸

去年のプレゼントはなんだったかな

一昨年は、その前は


幸せだったはずの記憶は

いつの間にか色褪せてしまった


白い雪が降り積もる中

赤いマフラーを巻いた後ろ姿は

今ではもう不確かな輪郭でさえも

上手く思い描けない


たった一年、たった365日

たったそれだけの月日の経過が

様々なものを置き去りにして

無情にも前に前に進んでいく


重ねた手の温もりが消えた12月

クリスマスにした初めてのキス

夜中の長電話は毎日のように

胸を締めつける貴女の笑顔


蘇るたびに後悔が降るばかりで

積雪し始めた雪よりも冷たく、重く

心にゆっくりと積もっていく


伸ばした手に触れた雪と一緒に

後悔も溶けてしまえばいいのに


でも一緒に消えたのは

ほどけた赤い糸だったね


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