第290話織女にかしつる糸の

織女に

   かしつる糸の

         打ちはへて

              年のをながく

                    こひやわたらむ


                    凡河内みつね 古今180


七夕のお祭りにお供えした糸と同じ

どれほどの長い間 恋しつづけることになるのだろうか


※織女にかしつる糸の:次の「打ちはへて」にかかる助詞。「かし」は「貸し」で七夕の祭典に女子が糸を添えて裁縫や機織の上達を祈願する。


※打ちはへて:長く引き伸ばして

※年のを:長く続く意。糸の縁語。



七夕の彦星と織女星は、一年に一度の逢瀬の恋のみ。

なかなか長い間、結ばれることがない。

それにかけて、わが恋が長らく成就しないことを嘆いている。

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