第288話契りけむ

おなじ御時、きさいの宮の歌合のうた


契りけむ

    心ぞつらき

         たなばたの

              年にひとたび

                    あふはあふかは


                    藤原おきかぜ  古今178


同じく寛平、宇多天皇の御代、后宮の歌合につかわれた歌。


一年に一度逢うなどとは、その御心が辛い。

そんな一年に一度など、逢ううちには入らないと思うのです。


誰もが感じている思いを、素直に詠んでいる。

約束とはいえ、一年に一度しか逢えないとなると、待つにつらく、別れるにつらい。



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