第282話きのふこそ

きのふこそ

     さなへとりしか

            いつのまに

                 いなばそよぎて

                        秋風の吹く


                       よみ人しらず 古今172


少し前に早苗を取って植えたばかりの稲が成長して、今は秋風がその稲葉にそよいでいる。


稲を育て愛してきた日本人なら、誰もがわかる喜び。

早苗の成長ともうすぐの収穫の喜び、涼しい秋風の喜び、この喜びは忘れたくない喜びである。

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