第41話心の行方

ながむれば

     わが心さへ

          果てもなく

               行方も知らぬ

                     月の影かな


                          建久五年百首


明るい月が照らす庭を眺めていても


自分の心でさえ


どこを探しても


その影すら 見えない


ほんとうに どこにあるのか


行方も わからない



成り行き任せなのか 底知れない絶望なのか

明るい月が照らしていても

自らの心が どこにあるのか まるでわからない



よみかえすほどに 息をのむほど美しい歌だと思う。

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