俺の弱さ

 廊下に出て窓から見えた空は、昨日とほとんど変わらなく輝いていた。

 男が女を守るって? 誰だそんなことを言ったのは。逆だ、男が女に守られるんだ。それが今の状況だ。

 舞染を助けると言った、黒雪と和葉。舞染を助けられないと言った俺。

 挙句の果てには、心配されたもんな。だっせぇな俺。幼稚だ。小心者だ。くずだ。

 強くなりたいよ。体なんか弱くてもいいから、心を強くしてくれ。

 ……こんなことを思っているその時点で俺は駄目だな。自分で手に入れようとはしないで、願うだけ。そんなのは誰にもできる。

 だからといってどうすればいいんだ。今さらどう頑張ればいいんだよ。人はそう簡単に良くも悪くも変われない。変われないんだ。

 とぼとぼ歩きながら俺は必死に答えを探した。しかし、見つからなかった。

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