第33話 補習からの解放
各自が、それぞれの新しい機体のデザインを終えた。
実際に形になるのは2学期からになるだろう。
もちろん機体のデータづくりだけでなく、基礎訓練や座学など夏休みの二週間を
自分達の修練に費やしたのは痛いがこの痛みがそれぞれの力になった。
「お互いたくましくなったのう。」
同室のチャーリーと互いの体を見比べる。
「へへ、銃とか重かったし結構マッチョになったぜ。」
チャーリーがバイセップアップのポーズを取ると、彼の上腕二頭筋が盛り上がる。
腹筋も割れていた。
お互いの同室暮らしも今日が最後だ、会おうと思えば学園で会える生きていれば会えるとわかっているから寂しさはない。
チャーリーの方が先に合宿部屋を出た。
虎太郎の携帯端末に着信が複数来る、スイッチを入れると下敷きサイズの板型の
光の画面であるデジタルスクリーンが2枚虚空に浮かび上がった。
「・・・・・・私に何の連絡もなしとはどういうことですの?」
一人は泣きながら怒鳴る金髪縦ロールの美少女グレンダだ。
もう一人は同じく金髪だが、頭の後ろがポンデリングみたいな美少女セイロン
が優雅に紅茶を飲みながら挨拶する。
「ごきげんよう、私のお猿さん・・・・・あら、ジャガイモちゃんもお久しぶり。」
携帯端末、テレビ電話のように連絡先の向こう側が見える為複数連絡がつくと他の相手の顔も見える。
その為、虎太郎の端末がグレンダとセイロンをつなぐ中継状態だ。
「・・・・セイロン、あなた虎太郎は私のですわ!!」
グレンダは瞳がウルウルと泣いていた。
虎太郎は知り合ってから、表情豊かな人だと知った。
「あらいいじゃない、二人でがっちり確保しましょ♪」
セイロンは余裕だ。
「・・・・・切らせてもらいます。」
面倒になった虎太郎が端末を切ろうとすると
「「待ちなさい!!」」
二人から怒られた。
「補習は終わりましたわね?迎えに行きますわ!!」
グレンダが叫ぶ。
「あら、彼は私が迎えに行かせていただくわ♪」
セイロンがインターセプトしてくる。
「虎太郎はダイダラに戻るんです!!」
グレンダが吠える、もはや子供の喧嘩であった。
虎太郎は、自分がモテている事にも気づかずうんざりしていた。
この後、グレンダとセイロンの二人に捕まり南の島へ連れて行かれる事になる。
そして、グレンダとセイロンと虎太郎の3人で新たな変形合体型のトックミオーに
乗る事になるのは後の話である。
格闘ロボトックミオー 第一部 完
挌闘ロボ トックミオー ムネミツ @yukinosita
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