第21話 定期テスト 実技生身編
国立戦人学園にも、テストはある。
カリキュラム的にはテスト後に運動会を経て夏休みとなる。
まあ、夏休み期間のすべてが休みではなく夏期合宿や臨海学校と言う行事もある。
定期テストは学科だけでなく実技もある、実技は生身での戦闘と戦人での戦闘
の二種類。
生身での戦闘試験は、オモイビト同士の男女別のバトル大会である。
己のスタイルと、オモイビトが持ち操れる力の行力を駆使した戦い。
合格条件は期間中、最低でも1勝すること。
合格できないと補習と言う名の修行が待っている、どの学生達も夏休みは遊びたい
し休みたい為勝負は全力である。
学園内の試合会場では、各ブロックで勝負が行われていた。
「お前にだけは負けんぞ、虎太郎!!」
眼鏡を外して手に握り、氷の馬上槍を作って襲い掛かるのはヘルマンだった。
同じ小隊同士だが、組み合わせではぶつかることもある。
思えば、入学以来虎太郎の割を食っていたヘルマンがここぞとばかりに攻め立てる。
「やかましい!!」
虎太郎も負けてはいられないが、本気のヘルマンは攻めも守りも手堅く隙がない。
間合いを詰めても相手が氷の鎧を纏えば防御も抜けず、得意の相撲にも
持って行けないと相性が悪く虎太郎は劣勢だった。
虎太郎当人は火のような男だが、彼の力はいわゆる風使いである。
ヘルマンと虎太郎が力を合わせれば強い力を発揮できるが対決となると
一撃が重いヘルマンが強かった。
生身での実技戦闘試験は、虎太郎を凍りつかせて倒したヘルマンに軍配が上がった。
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