第17話 エビス級登場 破
かくして、中央の島を巡る東西両軍の戦いが進みだした。
陸の東軍、海の西軍、どちらも各自の機体の性能を活かして
戦おうと目論む。
だが、中央の島の上空に黒い点がポツリとできたと同時に
両軍に対して教官側から通信が入る。
「双方、演習中止!! 島上空にヒルコ反応発生!!実戦に備えよ!!」
その通信に、両軍が動きを止めたと同時に空に黒い穴が開く!!
空の穴からゆっくりと、背中に蟹のような兵装を背負ったアニメに
出てくるような紫色の刺々しい人型のロボットが下りて来た。
そのサイズ50mクラス、平均的なスーパーロボット型の戦人と変わらず。
だが、機体からあふれる禍々しい黒いエネルギーが威圧感を放っていた。
これがダイダラ小隊と上級のヒルコ、エビス級との発遭遇であった。
「西軍、全機砲撃用意!! 目標、エビス級!!」
ドレイク隊の隊長、ロジャーの号令の元に西軍は一斉に各自の行力を込めた
砲撃をエビス級に向けて発射する!!
水の行力を込めたドレイク隊の青いビーム、アロハ隊全員による太陽のような
火の玉、カンテレ隊の電撃の直撃を受けたエビス級。
ダメージは受けた、蟹の足は砕け、機体全体も手足が砕け散り胴体も穴が開く。
だが、エビス級は破損した部位を再生しながら降下を止めない!!
アナスタシア率いるピロシキ隊は
「東軍、全員止まって!!地上戦に備えるわよ!!」
と通信で叫ぶ。
そしてピロシキ隊の機体が発光すると、東軍側は一気に巨大な
雪のドームに覆われた!!
砲撃を行った西軍は、アロハ隊とドレイク隊は海中に潜った。
カンテレ隊も、地中に潜った。
全員が退避を行ったと同時に、エビス級が背負った蟹の足を蠢かせて
ビームを放った。
ビームは森林をなぎ払い、大地に穴を開け山を崩し湖を沸騰させた。
東軍を覆った雪のドームは、びーむと打ち消しあいになるかのように消滅した。
エビス級は島の中心にクレーターを作り着地した。
第一波をしのいだオモイビト達、東軍に西軍のロジャーから通信が入る。
「紅茶好きの女狐、今度はそっちが働け!!」
「ええ、私達の優雅な戦いをごらんなさい♪」
女狐と呼ばれたセイロンは、あくまで優雅を気取る。
東軍でエビス級に仕掛けていったのはティータイム小隊だった。
「ティータイム小隊最速、アプリコット参りますわ!!」
戦車を人型にしたような紅茶色の機体が空を飛び、ハルバードを構えて
エビス級に突撃し蟹の足を切り落とす!!
「やりましたわ♪」
「アプリコット、逃げなさい!!」
アプリコットが喜んだと同時に、セイロンが叫ぶ!!
エビス級の蟹の足が一閃し、アプリッコット機を刺した!!
エビス級は刺したアプリコット機を湖へ投げ捨てる。
それをキャッチしたのはアロハ隊の足がサーフボード状のロボットだった。
「大丈夫、パイロットは生きてる!!」
アプリコット機を抱えたロコモコ機が通信でセイロンに伝える。
「・・・・・・アプリコット、良かった。」
人類側の機体、残り29機。
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