第16話 エビス級登場 序
ダイダラ小隊は、その日 日立国の北方にある新洞爺湖での演習大会
に参加していた。
新洞爺湖は、北海道の洞爺湖の10倍のスケールがあり戦人の演習に
利用されている演習による環境破壊などについてはオモイビトの行力による
修繕が可能なので戦闘のみならず行力の修行にも最適なのだ。
ルールは簡単、前半では東西に分かれて中央の島を取り合い先に島の中心の
ポイントにフラッグを立てた軍の勝ちだ。
後半は、前半の勝者が島を守る防衛戦となる。
行力での環境修繕は、負けた軍の仕事になるのでどちらも真剣だ。
ダイダラ小隊は、東軍に編成された。
仲間の部隊はと言うと、コールサインが紅茶のティータイム小隊。
北国出身のピロシキ隊の15名。
西軍は、海戦が得意なドレイク隊、南国出身者混成部隊のアロハ隊に
ゲリラ戦が得意なカンテレ隊の15名。
先に動いたのは西軍、先頭は全員の機体の下半身が船状なのが特徴のドレイク隊。
アロハ隊は、足にサーフボード上の装備をした機体やドレイク隊に似た機体。
水中戦特化のサメ型の機体とバラけているがこちらも水に強い。
アロハ隊がカンテレ隊を牽引して西軍は全機体が水を進む。
一方東軍は、先に動いたのはピロシキ隊だ。
「この湖を凍土にしてやるわよ!!」
ピロシキ隊の隊長、アナスタシアの号令で全機体が散開。
先行したピロシキ隊の機体が輝くと、新洞爺湖の水が一斉に凍り付き出した。
ピロシキ隊が凍らせた湖面をダイダラとティータイムが進む。
西軍も黙ってはいない
「やらせるか、イワンども!!」
ドレイク隊も散開し、ピロシキ隊に砲撃を仕掛ける。
ドレイク隊の砲撃に足と凍結を止められるピロシキ隊。
「氷ならカキ氷にすればいいんだよ♪」
アロハ隊隊長のモアナ、彼女のサメ型の機体が口を開きその牙で氷を噛み砕く。
東軍西軍どちらも飛行すれば早い、だが飛べば対空砲火が来る。
カンテレ隊の隊長、ヘイヘは学園でも名だたるスナイパーだった。
ダイダラ小隊は、どう動いたか?
彼らは凍った湖上を疾走していた。
「私があなたの砲になります!!背負いなさい虎太郎!!」
グレンダのオルトリンデがトックミオーに肩車状態になる。
「おまかせあれ!!」
トックミオーはブースターを噴かして突進する。
チャンバリアンと、チューバーシーサーもプチアンジュを
真ん中に挟んで守りながら トックミオーについていく。
「・・・・・・さて、全機出撃。」
ティータイム小隊の隊長、セイロンは紅茶を飲み終えてから
号令を下し進みだした。
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