第15話 行力発現

オモイビトには、オモイカネにより特殊な力が与えられる。

一つは、常人を越える身体能力や運動能力に生命力。

二つ目は、戦人を生み出し操る力。

そして三つ目、オモイビトそれぞれに与えられた行力ぎょうりき

行力ぎょうりきとは、陰陽五行や地水火風など自然の属性を現す力。


虎太郎が、衝撃波を纏った跳び蹴りを出せたのは彼が風の行力を持つからである。

行力は、個人で複数持てたり他人の行力と合わせて新たな力を生み出したりできる

のみならずヒルコを浄化し消滅する事ができる。


ヒルコにも等級のようなものがあり、上級のヒルコであるエビス級は行力

を用いた攻撃でないと倒せない。


戦人学園では、戦人の操縦のみならずこの行力の修練も必須科目で行われている。


ダイダラ小隊は全員艦内の教室で、行力の授業を受けていた。


精神を集中して各自の行力を発現するのが課題である。


ラナは陽と火の属性の行力を操り、小さい太陽のような火の玉を生み出す。


更に集中し同様の火の玉をポンポンと生み出す。


アンは、陰の属性でラナとは対照的に闇の塊を生み出している。


エドは、土の属性で石を虚空から生み出して見えない力でお手玉。


ヘルマンは水、ビキビキと彼の眼鏡が凍りついた。

「・・・・・目が見えん!!」

・・・・・・当たり前である。


グレンダは陽の属性、彼女の周りに光の粒子がちりばめられる。


虎太郎は風、彼の両掌の間で空気が渦を巻き玉を作る。


「はい!!皆、発現はできたわね?まずは自分の行力を知ることが大事よ。」

フランシスカ艦長の言葉に、全員発現を止める。


ヘルマンの眼鏡は凍ったままだった。


「行力は、戦人に乗った時も使えるので次に出撃した際は積極的に使いましょう。」

フランシスカが締める。


その機会が早いうちに訪れようとは、小隊一同想像もしていなかったのである。






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