第14話 虎とお嬢様の休日 急
・・・・・・私、この子に本当に恋してしまいましたわ。
出会った時は、猿かと思っておりました。
今でも思っておりますが、知り合ってみれば可愛いものです。
今も私のいたずらに驚いておりますわ。
虎太郎は、私が猿から人に育てて見せます。
そして行く行くは、私の伴侶としていただきます。
これも花嫁修業の内、子育ての練習もかねて夫を育てますわ。
お母様がお父様を結婚前から自分に相応しく躾けたように。
グレーデン家の女は狙った獲物は逃しません。
グレンダは心に炎を燃やした。
そんなグレンダを虎太郎が抱きしめて、道の端の壁寸前まで押しやる。
「先輩、何を呆けとるんじゃ危なかろう?」
グレンダの内心を知らない虎太郎、傍から見ると寄り切っぽい壁ドンです。
一方グレンダはというとまだ、自分の世界にいた。
・・・・・・か、壁ドンですわっ!!
虎太郎の声は聞こえていない、もう少女マンガのヒロイン状態で
虎太郎の首を抱きしめる。
虎太郎も、虎太郎でグレンダに抱きしめられて混乱していた。
「・・・・・・き、基地ば帰るとです!!」
虎太郎はグレンダの足を掬い上げてお姫様抱っこして、猛ダッシュで
学園へと走り去った。
後にこの一件は「音速のお姫様抱っこ事件」と呼ばれる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます