第4話 イレギュラー

校舎の6分の2を犠牲にしたヒルコ獣襲撃事件は、トックミオーの

大暴れで幕を閉じたが後始末は大変だった。


ヒルコの侵入を許す不祥事に校舎損壊に規則違反と問題が同時多発。


会議は踊るという言葉が如実に似合う様だった。


トックミオーごと虎太郎は、地下深くにある基地へ連れて行かれた。


トックミオーの誕生は異例であり、パイロットの虎太郎をどう引きずり出すかが

問題であったがするっと虎太郎を吐き出した。


戦人の実機は通常、脳波コントロール型やマスタースレイブ型などの様々なタイプがある操縦席のある骨組と呼ばれるのロボやマシンにセットする事で誕生する。


そして、カリキュラムでは2年生になってから希望した骨組で機体を作り

実機を用いた訓練が行われる事になっていた。


虎太郎の場合、当人は脳波コントロールとマスタースレイブの複合型の

ユナイトリンクシステムの骨組を希望としていたがそれは書類上の事。


虎太郎は進級を待つ気は更々無かったのである。


そして虎太郎は地下基地の病室で寝ていた、三日も覚めない。


「・・・・・・まったく、私がなんでこの子の面倒を。」

と言いつつ眠っている虎太郎を甲斐甲斐しく下の世話まで看護師のように

面倒を見ているのは金髪ドリルこと、グレンダ・グレーデン。


イギリス系の名とドイツ系の性を持つ実家は貴族のお嬢様、オルトリンデ

のパイロットである。


文武両道で凛とした美少女だが、母性愛が強く優しい性格で虎太郎を

「寝顔は、可愛らしいですわね♪」

と言って、自分から好感度を高めているチョロ・・・・・・もといヒロインである。

虎太郎が、彼女の尻にしかれるのは後の事となる。


現場に居合わせたグレンダが、虎太郎の面倒を見るという謎な処遇となった。

虎太郎本人が自覚のない間に運命の出会いは起きていたのである。

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